黒岩祐治知事は5日、年頭会見に臨み、新型コロナウイルス感染症への対応が今年も最重要課題として当面続くとの認識を示し、「さまざまな試練が出てくると思うが、県民や医療関係者の皆さんと一体となってコロナ禍を乗り越えていきたい」と述べた。さらに「苦しいコロナから『反転攻勢へ』の一年にしたい」と先を見据えた。
感染者の急増に伴い県内の病床が逼迫(ひっぱく)する状況で年末年始も対応に当たった医療・福祉関係者や県職員に対し「コロナには新年も正月もない。心から感謝を申し上げたい」と語った。
今年を展望する中では、延期になった今夏の東京五輪・パラリンピックを真っ先に挙げ、「世界中がコロナ禍で苦しんでいる中で開かれる大会。『さすが日本』と言われるよう、開催地として大成功に導きたい」と意欲を示した。
入所者19人が殺害された事件を受けて建て替えが進む県立障害者施設「津久井やまゆり園」の完成を控え、「再生に向けた重大な年。利用者目線の障害福祉はあのとき、神奈川で始まったと言われるよう、全力を挙げて取り組む」と強調。4月に就任10年を迎えることにも触れ「就任直前に起きた東日本大震災からも10年。災害に強い県土づくりをしっかり進める」と話した。