魚市、青果 活況願う 長崎県内初競り

県内の青果市場と魚市場で5日、初競りがあり、長崎市中央卸売市場ではマスク姿の仲買人がミカンを次々と競り落とした=5日午前7時28分、長崎市田中町

 長崎県内の魚市場と青果市場で5日早朝、初競りがあり、場内に競り人や仲買人の威勢のいい声が響いた。新型コロナウイルス禍で外食産業が低迷した影響で、魚や野菜の市場価格が落ち込む中、関係者が新年の活況を願った。
 長崎魚市場(長崎市京泊3丁目)の初競りは午前5時に開始。感染対策でフェースガードを付けた競り人が、魚の入った箱を前に声を張り上げると、五島のブリやマカジキ、クエなど約250種類以上が競り落とされた。しけのため入荷量は前年比140トン減の54トンと低調。縁起物のマダイは1キロ2千円、アマダイは同5千円の高値が付いた。初市式は出席者を例年の8分の1に絞って開催。長崎魚市の川元克明社長は「東京五輪を控える6月ごろから回復がスピードアップしていくものと見込んでいる」と期待を込めた。
 佐世保市地方卸売市場水産市場(相浦町)の初競りは同4時に開始。アジ、ノドグロ、ミズイカなどが並んだ。取扱量はしけの影響で前年比60トン減の120トン、取扱高は同1千万円減の4800万円だった。初市式は中止。競り前に佐世保魚市場の井上正人社長が「一致団結して取り組んでいきたい」とあいさつした。
 長崎市中央卸売市場(田中町)では、同7時から規模を縮小して初市式を実施。卸売業・長崎大同青果の加藤誠治社長が「より新鮮で安心安全な野菜・果物を安定供給する使命を果たす」と述べた。初競りでは、マスク姿の仲買人が、県産のミカンやイチゴを次々と競り落とした。同日の取扱量は野菜が前年比6トン増の260.7トン、果物は同27.3トン増の84.5トンだった。

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