中山競馬が再び無観客開催 中村均元調教師が訴えたさらなる「感染防止対策」

中村均氏

首都圏の新型コロナウイルス感染拡大→緊急事態宣言再発令へという情勢を受け、JRAは5日、今週末に行われる9日(土)、10日(日)、11日(祝・月)の中山競馬の無観客開催を発表した(同日からの中京開催はこれに含まれない)。また、首都圏のウインズなどでも同期間、馬券発売を行わない。昨年の10月4日以来となる歓声ゼロという事態に、日本騎手クラブ会長の武豊は「こればかりはしょうがないですね。ジョッキーとして感染拡大の防止に努めていくしかないです。映像で競馬を楽しんでいただければ」と現状を鑑みてやむなしとのコメントを発表。美浦の名伯楽・藤沢和調教師も「しょうがない。競馬をやらせてもらえるだけでもありがたい」と現実をしっかり受け入れた。

そんな中、さらなる感染防止策を打つべきとの声を上げるのが本紙専属評論家の智将・中村均元調教師会会長だ。

「首都圏に緊急事態宣言が発令されるということで、エリア内の中山競馬が無観客になったのだろうけど、地方への感染拡大と、医療崩壊寸前の状況。同時に開催している中京競馬も無観客にしたほうがいい。ファンに競馬を見てもらいたいという気持ちは分かるけど、無観客でも売り上げに影響がないことは昨年の競馬が示した通り。飲食店など、お客さんを入れないことが売り上げに直結する業種ではないのでここは感染拡大を第一に考える施策があっていい」

この方策を提唱する理由はもちろんリスクヘッジだ。「これまで以上の感染拡大を見せている今、人数制限するとはいえ、ファンを競馬場に迎えて万が一クラスターが発生するなどの事態になれば、開催の施行そのものが危うくなる可能性もあり、競馬のイメージもダウンしてしまう。せっかく去年、長い期間、無観客競馬でクラスターを出すことなく、すべての開催を消化することができたのだから、もう一度ファンの方にはテレビやネットでの応援で我慢してもらう。それでも応援が減ることが決してないであろうことは、昨年の売り上げや盛り上がりを見ても確実だろうから」

JRAは16日(土)以降の開催については後日発表するとしている。

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