ビリャレアル・久保建英 キャリアを大きく左右する〝二重国籍問題〟

久保建英

去就に揺れるスペイン1部ビリャレアルの日本代表MF久保建英(19)の現状を、同国の全国紙「ABC」が特集した。

久保は出場機会を求めてヘタフェへの再レンタル移籍が決定的になっているが、ABC紙はビリャレアルでの苦境を振り返り「(保有元の)Rマドリードは、魅力的なサッカーや欧州リーグへの出場がタケフサの有望なキャリアに貢献すると考えていた。しかし実体は、ウナイ・エメリ監督の存在が落とし穴だった」と指揮官の久保軽視が〝想定外〟だったと分析した。

今後についてはヘタフェ入団が間近に迫っているが、Rマドリード側は万が一破談となった場合に備えて代替候補もリストアップしているという。「ベティス、レアル・ソシエダ、セルタ、オサスナ、グラナダは、ヘタフェとの合意が最終的に成立しなかった場合に備えて、目を見開いて動向を注視している」とした。

また、将来的にRマドリード復帰を目指す上で久保の〝ハンデ〟も指摘。「最大の問題は国籍だ。日本では二重国籍を持つことが許されない。日本人がEU圏外枠から外れるためには、スペインに10年間連続して住むか、スペイン国民と結婚して1年待たなければならない。ただどちらの場合も日本のパスポートを失うことになり、それは本人もRマドリードも望まないだろう」。

スペイン国籍の取得は現実的な選択肢ではないため「2021年から22年の間に、FWビニシウスとFWロドリゴ、DFエデル・ミリトンのEU圏外枠選手の3人がともにスペイン国籍を取得し、久保が2年以内に戻る余地を作るようにRマドリードは動くだろう」と今後の動向を予測した。

サッカー人生の岐路に立っている久保はどのような決断をくだすのか。

© 株式会社東京スポーツ新聞社