【フェアリーS】金成厩舎の〝大小コンビ〟タイニーロマンス&ベッラノーヴァに欠点なし!

グラマラスなタイニーロマンス(左)とスレンダーなベッラノーヴァ

【フェアリーS(月曜=11日、中山芝外1600メートル)POGマル秘週報】明け3歳牝馬が争うGⅢフェアリーSは過去10年で1番人気がわずかに2勝(2着1回)。波乱決着が顕著なレースとしてファンの間にも浸透している。キャリアの浅い1勝馬が多く集まるため力量比較が実に難しいのだ。裏を返せば、未知の魅力あふれる若駒同士の争いという期待感と馬券的な面白みが両立しているレースとも言えようか。

2021年初っぱなの当コラムが注目したのは金成厩舎がスタンバイさせているタイニーロマンス、ベッラノーヴァの2頭だ。ともに新馬勝ちからの2戦目という共通点がある一方で、タイニーロマンスが初戦時516キロの超大型に対して、ベッラノーヴァは同396キロの細身。そのレースぶりも前者(東京芝1600メートル)が好位からのスマートな競馬で制したのに対して、後者(同1400メートル)は粗削りな面を見せながらも差し切る、実に対照的なものだった。当然、VTRを何度見返したところで〝どっちが上〟と判断するのは難しい。ならば管理する金成調教師を直撃するしかあるまい。

「(馬体の)大小の差はあるし、レースぶりもだいぶ違ったけど、自分にとっての最適なポジションにつけられるという点では同じだと思っています。現状では特に課題はないですけどね。あくまで重賞のここで強いメンバーと戦ってどうかということになるでしょう」

それぞれの個性は当然ある中で、現状では2頭とも「欠点はない」との見解で一致している。

タイニーロマンスはこの中間、坂路と南ウッドで同厩のボーダーオブライフ(古馬3勝クラス)、ワールドイズマイン(古馬1勝クラス)といった年長馬を相手に互角以上の動きを見せてきた。「デビュー前から動いていた馬ですし、この中間も(放牧から)太めで戻ったわけではないので、中身をいかに上げるかという調整をしています。新馬の内容もセンスが良く、申し分なかったですからね」と金成調教師。

一方のベッラノーヴァも南ポリトラックで軽快な追い切りを連発。「もともとポリトラックだと動く馬ですけど、それにしても無理なくいい動きを見せています。新馬は重馬場で勝ちましたが、(馬場のいい)外を回れたこともあり、無駄な疲れは残さずに調整ができている。1600メートルでもコントロールは利くでしょう」と同様に高い評価を与えている。

う~ん、現時点ではやはり甲乙つけがたい。個人的な結論は最終追い切り後に持ち越しとするが、昨年はこの中山競馬場で年始(1月5日・1R=オイデヤスダイジン)と年末(12月27日・12R=アルピニズム)のレースを制する、ある意味「離れ業」を成し遂げた金成厩舎。当地における今年最初の3歳重賞でも、大いに存在感をアピールしてくれる予感がしてならない。

© 株式会社東京スポーツ新聞社