<南風>差別を変えさせた沖縄の魅力

 初めまして、南風に執筆させて頂き大変光栄です。私は東風平町(八重瀬町)で生まれ、現在66歳です。

 生後3か月で神奈川県の川崎に移り住みましたので、沖縄2世と同じです。現在は、東京の神田で主婦中心の派遣会社を経営して、関東沖縄経営者協会の第9代目の会長です。誰よりも沖縄愛が強いと自負する沖縄万歳の人間です

 その私が、まず沖縄県人(うちなーんちゅ)に言いたいこと、それは沖縄はすごく魅力的であることです。私の小学校時代は、沖縄のオ・キ・ナ・ワという語音が、声を潜めた低音で差別的な響きに聞こえ、今は歓喜に近い高音の響きが沖縄を愛してくれる本土の人から聞こえてくるのは大変な驚きです。

 私の亡くなった叔父の古波津英興(叔父は復帰前から関東で沖縄問題に立ち向かった人物。私の母親の兄で、辺野古おばーで知られる島袋文子とは従兄妹です)。叔父はよく「観光、芸能、食事、お酒の四つそろうのは沖縄県だけなんだと、どこの県も三つまではそろうんだけど四つはそろわないんだよ、四つそろうのが沖縄の最大の魅力なんだ」と口癖のように言っていました。

 その最大の魅力が本土の海にない、色が鮮やかなエメラルドグリーンの海です。次に芸能。昔は関東の琉球舞踊、三線教室の会員の8割が沖縄出身者、今は8割が本土の人です。そして食事。関東の沖縄料理屋のお客さんも以前なら8割が沖縄の人、今はその多くが本土の人。それでも沖縄ファンが増えた一番のきっかけは芸能です。

 20年前にNHKで放送された「ちゅらさん」あたりからです。

 差別を感じた少年時代から本土の人の心がこれほどの変化を経て多くの沖縄ファンが増え、東京で肌で感じてきた私は、本当にうれしいです。沖縄万歳!

(新垣進、関東沖縄経営者協会会長)

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