田中の去就に影響か メッツが88勝右腕を獲得で年俸総額が膨らむ

田中将大

メッツは7日(日本時間8日)にインディアンスから強打者のフランシスコ・リンドア内野手(27)と17年に最多勝のタイトルに輝いたカルロス・カラスコ投手(33)をトレードで獲得したと発表した。メッツからアメド・ロサリオ内野手(25)、アンドレス・ヒメネス内野手(22)とメジャー経験のない若手2人がインディアンスへ移籍する。これにより、ヤンキースからFAの田中将大投手(32)の去就に影響が出そうだ。

メッツは先発ローテーションの3番手か4番手を務められる投手をできれば二人探しているとみられ、ニューヨークの地元メディアは田中の獲得をプッシュしている。新オーナーのスティーブ・コーエン氏は大富豪とはいえ、選手の年俸総額はぜいたく税を払わないですむ基準内に抑えたいだろう。

カラスコはメジャー通算88勝73敗、防御率3・77で、田中は78勝46敗、防御率3・74とほぼ同じ。カラスコがインディアンスと交わした契約はそのまま引継がれ、21年と22年は1200万ドル(約12億5000万円)で、23年は1400万ドル(約14億5000万円)だが300万ドル(約3億1000万円)でチームが買い取れる。ただ22年に170回以上を投げれば23年は自動的に更新される。ちなみにリンドアの昨季年俸は1750万ドル(約18億2000万円)だ。

田中の21年の年俸を米メディアは1200万ドル前後と予想しており、カラスコとほぼ同額だ。編成責任者のサンディ・アルダーソン社長は「我々は今後数週間でいくつかの決定を下すだろう。まだ完璧ではないので、積極的に話を進めたい」との方針を明かす。

だが、メッツが本命と狙うアストロズからFAのジョージ・スプリンガー外野手(31)の獲得に成功した場合、もう一人の先発投手に回せる資金は限られるだろう。田中がメッツからオファーを受ける可能性は低くなる…。選択肢が減ったか。

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