巨人残留を決断の菅野 期限を待たずに交渉を打ち切ったワケとは…

残留を決めた菅野

ポスティングシステムを利用し、メジャー移籍を目指した巨人・菅野智之投手(31)が、今季も巨人でプレーすることが決定した。8日、巨人が正式発表した。

球団によると、菅野はMLB球団との交渉期限となった日本時間のこの日午前7時を待たずに残留を決断。交渉を打ち切り、巨人側に今季も伝統のユニホームを着る決意を伝えたという。

コロナ禍の影響で、メジャーの通常開催は不透明な状況。そのため、菅野は当初から残留も視野に入れ、巨人側も容認する方針を固めていた。

菅野は球団を通じて、交渉に携わった関係者に感謝を述べた上で「今月1日に渡米して様々な方々から話を聞き、新型コロナウィルスの影響が深刻化する中でのMLBの今シーズンの動向を見極めた結果、今季も読売巨人軍でプレーしようという結論に至りました」と、ひとまず夢を〝封印〟した経緯を明かした。

そうと決まれば、やることは一つだ。

「原監督やチームメートたちと日本一奪還を目指し、今シーズン後に改めて自分の夢、将来を考えたいと思っています。応援していただいているファンの皆さまのご期待に応えられるよう、リーグ優勝と日本一奪還に向けて全力を尽くします」

不動の絶対エースの流出を免れたチームにとっては、この上ない朗報だろう。菅野が入団前に1年間浪人した経緯を踏まえ、今回のポスティングを認めた山口寿一オーナーも「世界でコロナ禍が深刻化する中、悩み抜いた末に残留を決断してくれ、感謝します。菅野投手は巨人軍の大黒柱。チームとともに一層飛躍してもらえるよう、全力で支援していきます」と歓迎の意を示した。

今オフの巨人はFAで梶谷と井納、新外国人ではメジャー通算196本塁打のジャスティン・スモーク内野手と同96発のエリック・テームズ内野手を獲得。ただ、菅野の残留こそ「最大の補強」との声もある。大型補強にエースの〝復帰〟でリーグ3連覇と9年ぶりの日本一へ、大きく前進しそうだ。

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