ダカールラリー:5日目はトヨタのドゥビリエがSS優勝。二輪部門ではホンダが総合首位に

 1月7日、2021年のダカールラリーは競技5日目の“ステージ5”が行われ、TOYOTA GAZOO Racingのジニール・ドゥビリエ(トヨタ・ハイラックス)が今大会初のステージ優勝を飾った。

 過酷なラリーの競技5日は、首都リヤドからアル・カイスマフまでのルートで全長は662km。競技区間456kmで争われた。

 前日まで3日連続で最速タイムを記録し、総合2番手につけているトヨタのナッサー・アル-アティヤ(トオタ・ハイラックス)は、この日はナビゲーションに苦しみタイムをロス。ステージ4番手にとどまった。
 
 ラリーの総合リーダーとなっているXレイド・ミニ・JCWチームのステファン・ペテランセル(ジョン・クーパー・ワークス・バギー)も、“砂漠の王”と同様の問題を抱えながらも3番手でフィニッシュした。この結果、4分を切っていた両者の差は約2分広がり、6分11秒差となっている。

 総合3番手は、SS9番手で5日目の走行を終えたXレイド・ミニ・JCWチームのカルロス・サインツ(ジョン・クーパー・ワークス・バギー)で、トップを走るチームメイトとは48分差と大量リードを許す状況だ。

 総合トップを争う2名を尻目にこのステージを制したのは、トヨタ・ハイラックスを駆るドゥビリエ。この南アフリカ人ドライバーは、SS2番手につけたセンチュリー・レーシングのブライアン・バラグワナー(センチュリーC6R)を58秒上回る最速タイムを刻むと、総合22番手から12番手へとジャンプアップを果たした。

 過去3度の総合優勝を誇るアル-アティヤは「(先頭走者として)道を切り開いていくのは難しかった」とコメント。
 
「多くのバイクが来るのを見て、僕たちは混乱した。ステージ序盤は8分から9分ほど遅れてしまったよ」

「それでもこの場所にいられてハッピーだ。ずっと後ろにいたステファン(・ペテランセル)を抑えられたから、いい仕事ができたと思う」

 四輪市販車部門を戦うチームランドクルーザー・トヨタオートボデーの三浦昂(TLC VDJ200)は総合42番手でクラス首位をキープ。チームメイトのロナルド・バソ(TLC VDJ200)も総合45番手/クラス2番手につける。

 トラック部門の10リットル未満クラスにエントリーしている日野チームスガワラの菅原照仁(日野レンジャー)は、SS13番手で5日目のラリーをフィニッシュ。総合順位を前日の17番手から15番手とした。

 二輪部門ではモンスターエナジー・ホンダチームのケビン・ベナバイズ(ホンダCRF450ラリー)と、ホセ・イグナシオ・コルネホ(ホンダCRF450ラリー)がワン・ツー・フィニッシュを飾った。SS3番手はレッドブル・KTM・ファクトリーチームのトビー・プライス(KTM 450ファクトリー)。

 ベナバイズは総合でもトップとなり、2番手につけるHTラリーレイド・ハスクバーナ・レーシングのグザビエ・ドゥ・ソルトレイ(ハスクバーナFR450ラリー)を2分31秒リードしている。総合3番手となったホセ・イグナシオ・コルネホとのギャップは3分42秒だ。

 1月8日の“ステージ6”は前半戦の最終ステージ。アル・カイスマフから休息地のハイルに向かう総走行距離618kmのコースだ。
 
 当初、このステージはSS距離448kmで行われる予定だったが、ステージ5で苦戦を強いられる選手が相次いだため、スタート時間を1時間30分遅らせる処置が取られることになった。これにともない主催者はプログラムの難易度を下げるため、競技区間を100km短縮することを決定し、正式発表している。

センチュリー・レーシングのブライアン・バラグワナー(センチュリーC6R)
ステージ3での転倒から車両を修復してラリーを継続する日野チームスガワラの菅原照仁(日野レンジャー)
モンスターエナジー・ホンダチームのケビン・ベナバイズ(ホンダCRF450ラリー)
モンスターエナジー・ホンダチームのホセ・イグナシオ・コルネホ(ホンダCRF450ラリー)
ステファン・ペテランセル(ジョン・クーパー・ワークス・バギー)
ナッサー・アル-アティヤ(トヨタ・ハイラックス)

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