ポスティングシステムを使い、メジャー移籍を目指してきた巨人・菅野智之投手(31)が8日に残留を決断したことを受け、おじでもある原辰徳監督(62)が胸の内を明かした。
右腕の去就に最もヤキモキしていたのは指揮官だったに違いない。菅野が長年の夢だったメジャーの舞台に戦いの場を移せば、投手陣が根幹から揺らいでしまう。当然、大幅な戦力ダウンは避けられないところだった。
以前に原監督は「まあ、それは非常に難しいね…。監督という立場であるならば、残ってくれるということがベストですよ。それはね。『行きなさい』とは言えないですよね」と、複雑な思いを口にしていた。
ただ、一方で、かわいい甥っ子には夢をかなえてもらいたい――。そんな葛藤をのぞかせていたが、菅野は自ら残留の意思を固めた。大きな知らせが届き、原監督はこう語った。
「菅野智之は巨人軍のエース、大黒柱であり、一緒に戦えることをうれしく、頼もしく感じています。監督としては最高の形になりました。今季、戦う上で坂本、菅野は中心選手です。先頭に立って、チームを引っ張ってもらいます」
とにかく今季の指揮官は「早く来季来い!」と、いつになく燃えまくっている。その理由は、日本シリーズでソフトバンクに2年連続で4連敗を喫した屈辱を晴らすためだ。
9年ぶりの日本一へ、紆余曲折を経て最強戦力が舞い戻った原巨人。私情を抜きにすれば、監督としてはこの上ない一日となった。