親から子、子から孫へと伝わるおせち料理♡一風変わったお雑煮が登場します!

 毎週月~金曜日ゆうがた5時30分から放送している奈良テレビの「ゆうドキッ!」。月曜日は「NARAベスト3」と題して、奈良をすみずみまで知る奈良まほろばソムリエの皆さんに、おすすめのグルメやスポットを3つずつご紹介いただいています。

 今回は、奈良まほろばソムリエ・鉄田さんが紹介する「大和の伝統的なお正月料理・ベスト3」です。奈良でお正月に伝統的に食べられているお正月料理を3品をご紹介します。

おせち料理のルーツって?

お正月に欠かせない「おせち料理」。今のようなおせち料理が広まったのは、八代将軍・徳川吉宗の時代です。吉宗は、18世紀はじめに行った「享保の改革」で質素倹約を奨励し、当時は安く手に入ったニシンの卵「カズノコ」、カタクチイワシを使った田作り「ごまめ」などの“節約料理”を提唱しました。

おせちが質素倹約の考えからきたなんて意外ですよね!!

一風変わった奈良のお雑煮

まず一品目は、お正月料理には欠かせない『お雑煮』をご紹介します。

こちらは、大和の伝統的なお雑煮「きな粉雑煮」。白味噌の雑煮に丸餅を入れ、餅は砂糖の入ったきな粉をつけて食べます。

少し珍しい食べ方ですが、きな粉を「金粉」や「稲の花」に見立てた縁起物として食べたと言われています。また、奈良には『頭芋を1個丸ごと入れた雑煮』もあるんです。

頭芋はサトイモの親芋で、ソフトボールくらいの大きさがあり「頭(トップ)」になれますように、という願いが込められているのかもしれませんね!

色鮮やかなお餅♡

次にご紹介するのは『お餅』です。多くの地域で食べられるお餅は、鏡餅など白いお餅が普通だと思いますが、大和の伝統的な正月のお餅にはこんなカラフルなものもあるんです!

こちらは、桜エビを混ぜた赤い餅、青海苔を混ぜた緑の餅、粟を混ぜた黄色い餅、ゴマを混ぜた2色の餅。色とりどりで雛祭りのお餅みたいですよね!

そして、お餅から派生した、このようなものもあり…

こちらは『かき餅』と言い、細くスライスしたお餅を乾燥させて作ります。そして食べるときは焼いたり、油で揚げていただきます。温かみがあるお菓子ですね!

海なし県のお魚料理

最後にご紹介するのは、「魚料理」です。海のない大和では、魚が貴重品(ごちそう)なので「とっきょり(ときおり=特別な日)の魚」と言われることもあります。

お正月には葛城地方など、奈良県中西部では「赤エイの煮こごり」、出世魚「ブリ」を使った「ブリの照り焼き」、「ブリの煮物」などがよく作られます。

そして宇陀では、スライスしたブリを塩で締めた「ブリの押し寿司」を作ることもあり、脂の乗ったブリと酢飯が相まった絶品です!

このほか、縁起物としてはカズノコ、ハマグリの吸い物などがよく食べられ、奈良盆地では、ニシンを昆布巻にして食べるほか、しめ鯖を食べるところもあります!

こうして見ると奈良では、海の魚を上手に取り入れてきたことが分かりますね!また、おせち料理は、地域の色が出るので、これからも親から子、子から孫へと継承していきたいものですね!

※この記事は取材当時の情報です。

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