英国3大ギタリスト「クラプトン、ジェフベック、ジミーペイジ」それぞれの40代 1984年 9月24日 ザ・ハニードリッパーズのアルバム「ヴォリューム・ワン」が英国でリリースされた日

3大ギタリストと呼ばれたエリック・クラプトン、ジェフ・ベック、ジミー・ペイジ

このサイトを見ている皆さんなら “3大ギタリスト” という言葉を聞いたことがあるだろう。エリック・クラプトン(1945年生まれ)、ジェフ・ベック(44年生まれ)、ジミー・ペイジ(44年生まれ)の3人を指した言葉で、主に70年代に『ミュージック・ライフ』など、日本の音楽メディアの一部で使われていた。おそらく、3人とも同世代の英国人でヤードバーズに在籍していたことがあるというのが、この言葉が作られた理由だと思う。

実は割と最近(と言っても10年以上も前だが)、彼ら3人の雄姿を観る機会が2度ほどあった。1度目は、クラプトンが2008年にニューヨークで旧友スティーブ・ウィンウッドと演った映像『ライヴ・フロム・マディソン・スクエア・ガーデン』とベックが07年にロンドンで演った映像『ライヴ・アット・ロニー・スコッツ』の2本が、09年に日本で同時公開された時。

もう1度は、ペイジが08年に米国でジ・エッジ(U2)、ジャック・ホワイト(ホワイト・ストライプス)と3人で対談とジャムセッションを行ったドキュメンタリー映画『ゲット・ラウド』で、日本では11年に公開された。ただ、残念ながら、どちらも客席はまばらで、そのことが彼らの現在地を示しているようだった。

流行りの音か? オールディーズか? 3大ギタリストたちの40代

では、3人が揃って40代に突入した80年代半ばはどうだったか。

クラプトンはフィル・コリンズのプロデュースで『ビハインド・ザ・サン』と『オーガスト』の2枚のアルバムを制作した。彼には “その時代に最も流行っている音” を採り入れようとする傾向があって、それがプロデューサーの選定に表れている。その証拠に、90年代にはベイビー・フェイスと組んでいた。

一方、ベックは旧友ロッド・スチュワートを誘って、カーティス・メイフィールドを擁するR&Bグループ、インプレッションズの名曲「ピープル・ゲット・レディ」をカバーした。

さらにベックとペイジは、ロバート・プラント(レッド・ツェッペリン)やナイル・ロジャース(シック)ら豪華メンバーと一緒にハニードリッパーズを結成すると、かつてフィル・フィリップスというR&Bシンガーが歌ってヒットした「シー・オブ・ラヴ」をカバーし、本家並みにヒットさせた。オールディーズの名曲を旧友と共に演奏する…… そこにキャリア後半に差し掛かった40男の郷愁を感じると言ったら、少々寂しすぎるだろうか。

あなたのためのオススメ記事 80年代のツェッペリン、ボンゾの亡霊を蘇らせた「コーダ」とライヴエイド Song Data ■ Sea Of Love / The Honeydrippers ■ 作詞・作曲:George Khoury / Phil Phillips ■ プロデュース:Nugetre & The Fabulous Brill Brothers

Billboard Chart
■ People Get Ready / Jeff Beck and Rod Stewart(1985年7月20日 48位) ※ オリジナルは The Impressions(1965年3月27日 14位) ■ Sea Of Love / The Honeydrippers(1985年1月5日3位) ※ オリジナルは Phil Phillips(1959年8月29日2位)

Billboard Chart(Album)
■ Behind the Sun / Eric Clapton(1985年5月25日 34位) ■ August / Eric Clapton(1987年3月21日 37位)

※2016年5月20日に掲載された記事をアップデート

カタリベ: 中川肇

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