晴れ着姿の記念に 中止した成人式看板設置 川棚町

川棚町が設置した看板の前で記念撮影する新成人=町公会堂前

 長崎県の東彼川棚町は9日、新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止にした成人式の看板を会場の町公会堂前に設置した。振り袖を着た新成人らが記念撮影に訪れ、それぞれの門出をささやかに祝った。
 本年度の同町の新成人は136人(男70、女66)で、このうち同日の成人式には約100人の出席を見込んでいた。県内での急速な感染拡大を受け、昨年末に中止を発表した。式典のために晴れ着や美容室などの準備をしていた新成人が記念撮影だけでもできるようにと、公会堂の正面玄関に看板を設置。消毒液や検温設備を置いて、ホールも開放した。
 同町在住の新成人、園田来夢さんと中川なつさんは家族に晴れ着姿の写真を撮ってもらった。中学卒業時に手紙や写真を詰めた2人の「タイムカプセル」を開け、旧交を温めた。中川さんは「みんなと会う機会がなくなったのは寂しいけど、2人でゆっくり話すことができたので楽しめた」と笑顔を見せた。

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