日本一奪回のカギ? 巨人・元木ヘッドの体調が「重要テーマ」に

地元・大阪でトークショーを行った巨人・元木ヘッド

リーグ3連覇、そして9年ぶり日本一に燃える原巨人。エース菅野智之投手(31)の残留が決まり、補強も一段落した。日本シリーズ2年連続4連敗の屈辱を晴らすためチーム一丸となっているが、2年目を迎える元木大介ヘッドコーチ(49)の体調維持が日本一への〝裏テーマ〟だという。昨季中、虫垂炎により16日間の離脱を余儀なくされた同ヘッドだが、果たして今季は――。

9日に地元の大阪・豊中市でトークショーを行った元木ヘッドは菅野残留に「残ってくれたのは本当にうれしい」と胸をなでおろした。

FAでDeNAから梶谷隆幸外野手(32)と井納翔一投手(34)、新助っ人としてメジャー通算196本塁打のジャスティン・スモーク内野手(34=前ジャイアンツ)と同96本塁打のエリック・テームズ内野手(34=前ナショナルズ)が加わった。「借りはいっぱいあるから返さないといけない。おカネと一緒。逃げたら大変」。チームの目標であるリーグV3、日本一への陣容が整った。

そんな中、チーム内で日本シリーズ惨敗の一因と考えられているのが、昨年9月後半からの〝失速〟だ。9月前半は11勝1敗1分けと快進撃も同16日に元木ヘッドが虫垂炎で緊急入院すると、雲向きが怪しくなった。

離脱した16日間、阿部二軍監督がヘッド代行を務め、成績は9勝5敗。そこにセットアッパー左腕・中川ら主力の故障が重なり、接戦を落とすケースが増えた。10~11月は13勝18敗4分けと負け越したまま日本シリーズを迎えることに。元木ヘッドは「(入院の)1か月前から痛かった。ずっとリポビタンDとユンケルでごまかしていた。それが名古屋で、おなかの中に手を突っ込まれたみたいに(痛くなった)。治ってすぐは苦しかった。貧血もあって。声も出なかった」と当時を振り返る。

もちろん〝失速〟には過密日程による疲労の蓄積など、さまざまな要因が考えられる。一概には言えないが「参謀離脱」の悲劇だけは繰り返すわけにはいかない。

元木ヘッドの明るさは幾度となくチームを救ってきた。主力の丸佳浩外野手(31)も「チームが苦しい時、全体的に雰囲気が重くなるんですけど(元木ヘッドが)吹き飛ばしてくれる。連敗してくるとミーティングも重たくなるんですけど、元木コーチが『頼むよ、お前ら本当に。楽にさせてくれ。ドキドキさせんなよ』と。僕らも元木さんをもうちょっと楽にさせてあげようかと(坂本)キャプテンと言ったりする」と証言している。

参謀の明るさと健康をシーズンを通していかに維持できるか――。巨人の日本一への大きな鍵となりそうだ。

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