フィリーズがジャイアンツから救援右腕・クーンロッドを獲得

フィリーズのデーブ・ドンブロウスキー編成本部長は日本時間1月10日、ジャイアンツへ2020年ドラフト4巡目指名のカーソン・ラグスデールを放出して救援右腕のサム・クーンロッドを獲得するトレードが成立したことを発表した。昨季ブルペンが完全に崩壊したフィリーズは今オフ、J・T・リアルミュートとの再契約を最優先課題としつつも救援投手の補強を進めており、すでに3球団トレードでレイズから左腕ホゼ・アルバラードを獲得している。

現在28歳のクーンロッドは2014年ドラフト5巡目指名でジャイアンツに入団。メジャーデビューした2019年は33試合に登板して5勝1敗、防御率3.58とまずまずの成績を残したが、昨季はメジャー初セーブと初ホールドを記録したものの、18試合に登板して0勝2敗3セーブ、3ホールド、防御率9.82と成績が大幅に悪化した。

「Statcast」のデータによると、昨季4シームを50球以上投げた投手のうち、クーンロッドの平均球速98.4マイルは5位にランクイン。また、シンカーを50球以上の投げた投手のうち、平均球速97.6マイルは9番目の数字となっている。しかし、両球種とも被打率3割台中盤と打ち込まれており、抜群の球速を生かせるピッチングの取得が急務となっている。与四球率が2年連続で4を超えているため、制球力の向上も必要不可欠だ。

一方、フィリーズからジャイアンツへ移籍することになったラグスデールは現在22歳。昨年のドラフト4巡目指名で南フロリダ大学からプロ入りしたため、まだマイナーでのプレー経験はない。

大学でトミー・ジョン手術を経験しており、2019年は1試合も投げられなかったが、昨年は4試合に先発して防御率2.84、37奪三振(奪三振率17.53)を記録。制球力の向上が課題とされている。「MLB Pipeline」の球団別プロスペクト・ランキングではフィリーズの30位にランクインしていた。

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