映画「漂流ポスト」 バルセロナ国際映画祭で審査員賞を受賞 東日本大震災で負った心の傷を癒やすポストが題材

東日本大震災で負った心の傷を癒やすポストを題材とした映画「漂流ポスト」(2021年3月5日)が、バルセロナ国際映画祭で審査員賞を受賞した。バルセロナ国際映画祭は、インディペンデント映画を対象とした映画祭で、「漂流ポスト」は「撮影賞」「短編映画賞」「審査員賞」の3部門にノミネートされていた。

監督・脚本・編集・プロデュースの清水健斗は、「まずは一人のクリエイターとして、世界の素晴らしい作品と肩を並べて上映してもらえた事、結果として賞をいただけた事は非常に光栄です。それ以上に、東日本大震災から10年の年に、国内だけでなく海外にもメッセージを発信できる機会を与えてもらい非常に嬉しく思います」とコメントしている。

「漂流ポスト」は、東日本大震災で亡くなった人への想いを受け止めるために作られた、岩手県陸前高田市の山奥に建てられた実在のポストを題材とした30分の短編。東日本大震災で親友の恭子を失ったことを受け入れられずに過ごす園美が、漂流ポストの存在を知り・・・という物語が展開される。漂流ポストの存在を知った清水健斗が、監督・脚本・編集・プロデュースを手がけた。これまで国内外の映画祭などで上映され、ニース国際映画祭やロンドン映画祭などで多くの賞を受賞してきた。

■監督・脚本・編集・プロデュース:清水健斗 コメント
まずは一人のクリエイターとして、世界の素晴らしい作品と肩を並べて上映してもらえた事、結果として賞をいただけた事は非常に光栄です。
それ以上に、東日本大震災から10年の年に、国内だけでなく海外にもメッセージを発信できる機会を与えてもらい非常に嬉しく思います。
3年前に初めて海外で上映された本作は、今回で18回目の海外上映になりました。その間、世界でも様々な出来事が起き、心に傷を負った方々が多くいらっしゃいます。
生きていることのありがたさ、命や日常の儚さ、人との絆の温かさ、不条理な出来事にどう向き合い立ち上がるか……。私たちが東日本大震災で学んだ教訓が、世界でも問われている。そして、今だからこそ伝わるメッセージがあるのだと改めて考えさせられました。
日本だけでなく世界の人々に少しでもいいから勇気を与えられる。そんな作品に本作がなれるように、今後も発信を続けていけたらと思っています。

漂流ポスト
3月5日(金)よりアップリンク渋谷にて他全国順次公開
配給:アルミード
(c) Kento Shimizu

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