【高校発みやざきSDGs】ー1ー県高校教育課 「納得解」生む力育成

「探究的な学び」の指導法について熱心に協議を行うMSEC加盟校の先生

 今の子どもたちが成人して社会で活躍する頃にはわが国は想像を超え予測困難な時代を迎えると指摘されてきたが、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大によりその指摘が早くも現実のものになりつつある。

 急激に変化する時代の中で、私たち一人一人、そして社会全体が答えのない問いにどう立ち向かうのかが問われる。そのためには目の前の事象から解決すべき課題を見いだし、主体的に考え、多様な立場の者が協働的に議論して「納得解」を生み出すことが大切であり、その力を高校生に身に付けさせる必要がある。

 今、高校では「探究的な学び」の重要性が浸透しつつある。探究的な学びとは教科学習で得られた知識・技能を実社会の問題発見・解決に生かす教科等横断的な学びであるとともに、実社会や実生活と自己の関わりから問いを見いだし、情報を集め、整理・分析し、まとめ・表現する活動である。

 しかし、本県の高校教育では、知識伝達に重きが置かれた学びもいまだ見受けられる。県教育委員会は、生徒自らの課題発見と、解決する力の育成への思いを共有する多くの県立高校を中心に、探究的な学びの指導ノウハウの共有と普及等を目的に2019年7月「みやざきSDGs教育コンソーシアム」(MSEC)を設置した。現在14校が加盟し、新時代における持続可能な社会の創り手の育成に向け、さまざまな活動を展開しているところである。(指導主事・後藤順一)×    ×

 より良い世界の未来をつくるための国連のSDGs(持続可能な開発目標)。若者たちの関心は高く、その自由な発想はSDGs達成の鍵を握ると言われている。県内の高校現場からSDGsの取り組みを報告してもらう。毎週日曜日掲載。

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