カメラ3カテゴリで大きな差、2020年コロナで受けた大きな影響

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世界中が未曾有の事態に陥った2020年。デジタル家電市場も大きな影響を受けた。中でも、同じようなカテゴリながら、影響がプラスとマイナスに大きく分かれた市場がある。カメラだ。国内デジタル家電市場のPOSデータを集計するBCNランキングのデータから明らかにする。

カメラ市場には大きく分けて用途別に三つある。写真撮影のデジカメ、動画撮影のデジタルビデオカメラ、PCと接続して画像や映像を撮影するPCカメラだ。これら3カテゴリで、2020年の販売台数前年比を見ると、デジカメが59.6%、デジタルビデオカメラが68.3%、PCカメラが359.3%という結果になった。PCカメラは19年比で市場が3.6倍に急拡大したのに対し、デジカメとデジタルビデオカメラは市場が3割から4割の市場縮小に苛まれたわけだ。

月次での動きをみると、明らかに新型コロナウイルス感染症の影響が直撃している様子が分かる。もともとデジカメとデジタルビデオカメラはスマートフォン(スマホ)の台頭などで縮小基調の市場だったため、19年に販売台数がいずれも2桁割れ。PCカメラはそれほどではないが、前年比で推移していた。20年では、1月の前年比でデジカメが83.2%、デジタルビデオカメラが84.7%、PCカメラが108.6%という状況だった。

新型コロナウイルス感染症拡大の影響が色濃く出始めたのは3月以降だ。PCカメラの売り上げは前年比3~5倍に急拡大する一方、デジカメとデジタルビデオカメラは6~7割減の水準に沈んだ。テレワーク需要で一気に売り上げが伸びたPCカメラと、外出自粛やイベントの中止などで使用機会が消滅したデジカメとデジタルビデオカメラで両極端なプラスとマイナスの影響が生じた。

カメラ3カテゴリの販売台数構成比は、最も高いのがデジカメで38.3%。デジタルビデオカメラが18.2%、PCカメラが43.5%だ。販売金額では、デジカメが65.9%、デジタルビデオカメラが26.2%、PCカメラが7.9%という市場構造。3カテゴリの合計で20年の販売台数は、前年比で100.4%と前年並みだったが、販売金額は71.8%と3割減の水準にとどまった。PCカメラが大幅に伸びたものの、単価が安いため販売金額を前年並みにとどめることはできなかった。

1月7日、政府は1都3県に再び緊急事態宣言を発出した。コロナ禍から徐々に立ち直りつつあったデジタルカメラやデジタルビデオカメラは果たして、この逆境でどこまで踏みとどまることができるのか。PCカメラはどこまで売り上げを拡大できるのか。少なくともこれから数カ月は、引き続き例年と大きく異なる動きが継続することになりそうだ。(BCN・道越一郎)