出展社数322社で日本が第1位、日本酒が大盛況 @中国国際輸入博覧会 特に注目を集めたのはロボット関連と食品関連

▲会場内の様子。食品・ロボット産業に関心が集まる

 2020年11月上旬、上海で「中国国際輸入博覧会」が開催された。世界各国からさまざまな業種のサービスが集まる中国政府肝入りの展示会で、19年開催時には181の国と地域から3800社超が出展し、50万人以上が来場していたが、新型コロナウイルスの影響から激減。展示面積も3万平方メートルと巨大な会場となったが、収容人数を3割までとし、制限をかけた中での開催となった。来場者の多くは中国各地の地方政府関係者だった。

 会場は「サービス貿易」「自動車」「技術装備」「消耗品」「医療機器・医療保健」「食品・農産品」の6つのエリアに分かれている。特に注目を集めたのはロボット関連と食品関連のエリアだ。ロボット関連では不二越(NACHI)が出品したロボット技術の展示物を見に大勢の来場者が押しかけていた。

▲今回、国別の出展社数で日本は1位だ

 今回もっとも多くの出展社が参加した国は、日本だった。日本企業の出展社は322社、出品数は1328点に及んだ。陽子線・重粒子線ハイブリッドの放射線治療器などを出品した日立の他、ブース内に巨大な模型を展示して注目を集めたユニクロなど、多くの人が日本ブースに足を運んでいた。中でも食品館は日本企業の独壇場ともいえる状況だ。日本各地の日本酒が多数出品されており、日本国内での展示会以上の品ぞろえを見せた。

 出展社数2位は香港で322社、3位はアメリカだった。日本から渡航できないにも関わらず出展社数が圧倒的に多かったことから、中国に進出している日本企業が非常に多い現状が浮き彫りとなっていた。一方で、来場者に評価されても流通が復旧していないため、購入までの道筋が立たない企業もあるようだった。

▲「消耗品」「医療機器・医療保健」「食品・農産品」の3つのエリアに出展したジェトロ。食品での目玉は日本酒だ

 日本ブースの多くが盛況だった一方で、海外の商品やサービスに対する需要の減少を口にする人も少なくなかった。日本ブースを訪れた来場者は「中国がまだ発展途上だった頃には海外の製品は非常に魅力的で、経済成長していく上で必要不可欠だった。だが、今回多くの商品を見たが、必ず導入しなければならないという商品は見つからなかった。個人的な嗜好品を除けば、海外の商品やサービスに頼る割合が減ってきているのだと思う」と感想を述べた。

▲検温エリア
▲商談用のテーブルにはパーテーションが設置されている

 新型コロナに対する警戒心が高い中での開催となり、会期1カ月前までに、身分証明書や証明写真、会社の営業許可書、200元(約3100円)の入場料の提出が必要とされた。また、入場7日前以内のPCR検査結果の提出も義務付けられた。昨年に比べ会場の人通りは減少したものの、会場の各エリアでは熱心に商品を見学する様子が見られた。


会期:2020年11月5日(木)~10日(火)
会場:国家会展中心(National Exhibition and Convention Center・中国・上海)

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