新成人20人アンケート 困難直面 未来に希望も コロナ禍「人生観 変わった」

○「評価する」「感じる」 ×「評価しない」「感じない」 △「分からない」

 新型コロナウイルス感染拡大の中で迎えた11日の「成人の日」。長崎新聞社が新成人20人に実施したアンケートでは、困難に直面する若者たちの姿が改めて浮き彫りになった。ただ、コロナ禍で不安や懸念を抱える中でも半数近くが「日本の未来に希望を感じる」と回答。「自分たち若者世代がどれだけ頑張れるかだと思う」「きっと復興できるはず」-。力強い決意が聞かれた。
 アンケートは県内在住や本県出身者を対象に、11日までに実施。▽コロナ禍で最も困っていること▽菅政権のコロナ政策を評価するか▽コロナ禍で人生観、価値観は変わったか▽日本の未来に希望を感じているか-を聞いた。
 「夏から留学を計画しているが、コロナのせいで絶望的になった」。大学で英語を学ぶ長崎市の小川由姫さんはこう訴える。コロナ禍で最も困っていることは-。この質問に、学業・就職活動などへの影響、経済的な懸念、人と触れ合う機会の減少を挙げる新成人が大半を占めた。「外食控えの影響でレタスの価格が低迷し、出荷できない状況になっている」「入院中の祖母に約1年間会えていない」。切実な声が目立つ。
 コロナを巡る菅政権の対応について、「評価する」は2人にとどまった。「医療崩壊を防ぐため緊急事態宣言を発令した」と評価する声の半面、「評価しない」は7人。「Go To トラベルの停止判断が遅い。都道府県知事ともう少し連携した方がいい」と厳しい意見が相次いだ。
 一方、「コロナ禍で人生観、価値観が変わった」は8割の16人。「ない」(3人)、「分からない」(1人)を大きく上回った。「命の大切さを改めて実感した」「自分の行動に責任があると考えるようになった」「物理的に離れても、人を思いやる『心の距離』は近くなった」「頑張って働く大人に尊敬の念を抱いた」-。コロナ以前は当たり前と思っていた“日常”や命の尊さの再認識、自身の心の持ちように変化が生じたとの声が数多く寄せられた。
 日本の未来に希望を感じているか-。この質問には、「私たちの世代に負担(のしわ寄せ)が来るのでは」「コロナに加えて、少子高齢化、環境問題など今の現状では希望を感じることができない」などと不安を口にする新成人も少なくなかった。その中でも半数近くの9人が「感じている」と回答。「平和学習で被爆者の話を聞き、焼け野原になった映像や写真を見た。悲惨な状況になっても長崎は復興していった。(コロナ禍も)きっと復興できるはず」などの声が聞かれた。佐世保市の大学生、岩村崇弘さんは、こう力を込めた。「日本の未来は、自分たち若者世代がどれだけ頑張れるかで良くなると思う。そう信じて頑張っていきたい」

© 株式会社長崎新聞社