鵜甘神社の年に一度の神事!水海の田楽能舞とは【国の重要文化財・福井県池田町】

福井県池田町には、750年以上もの歴史がある水海(みずうみ)の田楽能舞という伝統行事があります。
この水海の田楽能舞が奉納される鵜甘神社(うかんじんじゃ)に行ってきたので、ご紹介します!

水海の田楽能舞とは

『水海の田楽能舞』は、水海地区に伝わる伝統行事で、国の重要無形民俗文化財に指定されているもの。

その歴史は鎌倉時代にまで遡ります。
諸国行脚の際に雪で立ち往生してしまった北条時頼のために、村人がこの場所で「田楽」(もともとは田植の時に行っていた舞踊が遊芸化したもの)を舞ったところ、時頼がお礼に「能舞」を教えたのが始まりと伝えられています。

田楽と能が奉納される春大祭

水海の田楽能舞は、現在でも毎年2月15日に行われる春大祭で、鵜甘神社で奉納されます。

奉納に先立ち、2月3日に舞人、囃し方、神事の役等が割振られ、以後10日間は厳しい練習が重ねられる。
特に重要な「祝詞」、「翁」、「高砂」を舞う3人は、13日から「別火」の生活に入る。

別火とは、各自が定まった火器、什器を使用し人手を一切借りないで精進潔斎することである。

14日には場馴らしと呼ぶ練習の仕上げを行う。

奉納日には、夜明けに「朝戸開き」の神事が行われ、面や諸道具が拝殿の舞台に並べられる。
別火に入っていた3人の舞人は水海川で身を清め、午後1時より田楽能舞が始められる。

「からすとび」、「祝詞」、「あまんじゃごこ」、「あま」の田楽に続き、「式三番」、「高砂」、「田村」、「呉服」、「羅生門」の能舞が演じられる。

このように、しきたりを大事にしながら長い間守られてきた水海の田楽能舞。

厳かな雰囲気の中で舞われる伝統芸能を、ぜひその目で見に行ってみてください。

水海の田楽能が奉納される『鵜甘神社』

水海の田楽能舞が奉納される鵜甘神社。
この神社自体の歴史も大変古く、創建は463年(古墳時代)とも言われています。

不思議な形の鳥居?が目印。

参道を歩いて行くと、こんな拝殿が。

七百数十年前、この場所で田楽能舞が生まれたのです。

毎年2月13日には『ばいもしょ』という初春の予祝神事も行われます。
これは、拝殿からばらまかれた五本の棒を子供達が競い合って取るというものです。

15日の田楽と能の奉納と併せて見に行ってみては?

鵜甘神社の基本情報は以下でご紹介しています。

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