石木ダム付け替え道路工事 抗議座り込み通算1000回

抗議の座り込み1000回の横断幕を広げる住民ら=川棚町

 長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業に反対する住民らが、県道付け替え道路工事現場で続ける抗議の座り込みが12日、通算千回に達した。
 座り込みは、県が付け替え道路工事に着手した2010年3月から断続的に実施。住民によると、県側が工事再開を伝えた16年7月25日からの「第4次」が通算千回になった。
 12日は、住民や支援者ら通常より多い約50人が集まり、「いい加減にせんかい」などと書かれた横断幕を広げて抗議。住民の岩下すみ子さん(72)は、活動を記録するノートに「1000日」と書き込んだ。「まさかこんなに長引くとは」と苦笑いを浮かべ、「この場所で仲間たちと会うと力が湧く。ダム計画中止を勝ち取るまで諦めない」と決意を新たにしていた。
 座り込み場所は当初、付け替え道路工事現場入り口だったが、17年8月以降は現場内に移った。現在の場所を含む約140メートルの区間で工事が遅れている。県側は昨年10月に住民らの帰宅後に重機を入れたり、同12月に防護柵を設けたりして当該区間の盛り土工事を試みたが、いずれも住民側が阻止。同10月以降、住民側は座り込みの時間を夕方まで延長したり、土曜日や祝日も現場に通ったりして警戒する。このため県は盛り土工事の工期を複数回延長し、昨年末にいったん打ち切った。

© 株式会社長崎新聞社