<ブレーク盤>KEIKO『Lantana』際立つバラードのうまさ

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 2019年に解散した女性ボーカルトリオKalafina。本作は、その低音パート担当だったKEIKOのソロ・デビュー・アルバムで、タイトルは咲き進むにつれ色が変化する花の名前のことで、まさに七変化な作品となっている。実際、本編の全10曲はすべて作曲者が異なっているし、歌い方も実に多彩だ。

 自分らしさを見つけてと力強く歌う王道ガールポップの『Be Yourself』や、R&B風の楽曲をあどけない声で歌う『始まりは』、サスペンス系のアニメ主題歌になりそうなロック調の『エンドロール』は渡辺美里ばりの張った歌声で、アニメ『ラブライブ!』風のハッピーソング『Change The World’s Color』は、大人っぽく艶のある歌声なのだ。

 特に、バラードは上手さが際立っている。梶浦由記作曲の壮大で優美な『七色のフィナーレ』(こちらはKEIKO作詞で未来への希望にも満ちている)、和風メロディーを取り入れた絶唱系の『茜』、酒井法子あたりが90年代に歌っていそうなドラマ主題歌風の『命の花』など、どれも感情豊かに歌っている。個人的には、スローからミディアム、さらにアッパーに曲調が変化していく『Ray』にて、彼女が飛翔する姿が最もイメージできた。

 今回は10曲中3曲を作詞しているが、今後はその個性もより重要となるだろう。ともあれ、本作を聴けば、自分の可能性を探るためにまずは一通り試してみたいと思えるはず。

(エイベックス・CD 3000円+税)=臼井孝