阪神のドラフト1位は育っているか? 藤浪や大山ら輩出した“ドラ1育成力”を検証

阪神・大山悠輔、藤浪晋太郎、近本光司(左から)【写真:荒川祐史】

近年の阪神ドラ1で最も結果を残しているのは2018年の近本光司

12球団にとってチーム編成の根幹を成す毎年のドラフト会議。そこで指名した選手たちが翌年、さらには3年後、5年後のチームを支える存在に育ってくれるかどうかは、球団成績の浮沈を左右する重大事だ。

では、各球団は近年どれだけドラフト1位で指名した選手たちを育て上げることが出来ているのか。希望枠が自由獲得枠が廃止され、ドラフトが現行システムとなった2008年以降のドラフト1位指名選手の成績を検証してみよう。

なお、編集部独自に採点基準を設定。数多く試合に出場してチームの戦力となっているかを計るために出場試合数に応じた得点制とし、10点満点とした。なお、先発、中継ぎ双方で投げた投手には「先発数×2.5」試合で補正をかけることとした。

・野手:100試合、300試合、500試合、700試合、1000試合出場で1点ずつ
・投手(先発):20試合、50試合、75試合、100試合、150試合で1点ずつ
・投手(中継ぎ):50試合、100試合、150試合、200試合、300試合で1点ずつ
・個人タイトル獲得者:4点ずつ(ベストナイン、ゴールデングラブ賞も含む)

阪神・高山俊(左)と岩貞祐太【写真:荒川祐史】

2008年以降でタイトルを獲得しているのは藤浪と近本の2人

昨季2位だった阪神を見ていこう。近年の阪神のドラフト1位で最も成果をあげているのは2018年の近本光司だろう。ルーキーイヤーから中堅のレギュラーの座を掴み、2年連続で盗塁王のタイトルも獲得している。また、タイトルの獲得がないために点数自体は低くなったが、2016年の大山悠輔もリーグ屈指の強打者に成長し、今後も阪神打線の中心として活躍が期待される。

2008年以降で最も結果を残しているのは2012年の藤浪晋太郎だ。近年は制球難などで苦しいシーズンを過ごしているものの、プロ入り1年目から3年連続2桁勝利をマークし、2015年には最多奪三振のタイトルも獲得している。ファンが求めるところは高いものの、十分な成績をマークしているドラフト1位選手と言える。

近本、大山、藤浪と主力になった選手はいるものの、全体的に見れば、成果があがっているとは言い難いか。2008年の蕭一傑、2009年の二神一人、2014年の横山雄哉は1軍登板こそしているものの、1軍の戦力になれたとは言えず。採点基準に照らすと、12年間で39点にとどまり、61点だった巨人とは大きく差を開けられる結果となった。

ただ、大山はもちろん、昨季台頭した2017年の馬場、そして2019年の西純矢や今年のドラ1佐藤輝明ら楽しみな選手が多い阪神。向こう3年、5年で一気にドラ1が人材の宝庫となる可能性を大いに秘めている。

【表】活躍を数値化… 現行システムとなった08年ドラフト以降の阪神ドラ1を独自検証

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(Full-Count編集部)

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