神姫バスとJA兵庫六甲、三田市内で貨客混載の実証運行 生産者も参加

神姫バス株式会社(以下、神姫バス)は、兵庫六甲農業協同組合(以下、JA兵庫六甲)、三田野菜・産直の会、パスカルの会、高平支店会(以下、生産者)と連携し、路線バスで青果物を輸送する貨客混載サービスの実証実験を1月19日から開始する。

神姫バス三田営業所が運行する路線バス「三田~小柿線」は、高平地区住民にとって重要な交通手段だが、近年の人口減などによって路線維持が課題となっている。さらに、コロナ禍によるバス利用者減少も重なり、新サービスの創出が急務となっている。

一方でJA兵庫六甲は、高平地区における生産者の高齢化に伴う青果物の減少、直売所(パスカルさんだ一番館)までの青果物の輸送手段確保、午後からの品薄解消が課題だった。また生産者は、青果物出荷のため直売所まで片道約10kmを20分かけ自家用車で往復している状況で、高齢化による運転への不安から「青果物を作りたくても作れなくなる」ことが課題となっているという。

そこで神姫バス、JA兵庫六甲、生産者の3者はそれぞれの課題を解決するため、路線バスの車内スペースを活用して青果物を輸送する「貨客混載」の実証実験を行うことで合意した。

なお、JAおよび生産者と地域を走る路線バス事業者が連携して行う貨客混載は関西初の取り組みだ。

実証運行期間は1月19日から4月30日までの火曜日と金曜日。1月12日と13日には、バスで出荷を希望する生産者とともに積み込みのシミュレーションを実施する。5月以降については、実証実験の結果を基に生産者の組織化も含めて継続の協議を行う。

貨客混載対象路線および運送区間は神姫バス路線「三田~小柿」線の高平小学校前停留所11時02分発、三田駅北口行きの1便(土日祝は運休)。搬送運賃は1コンテナ当たり200円または250円。出荷数を管理し、月ごとに精算する。

出荷から販売の流れ(神姫バス プレスリリースより)

今回の実証運行では、出荷から販売までの管理を行うため、高平地区で組織された生産者グループのメンバーがバスで出荷する。混載の最大積載量は、浅型コンテナ10個分までで、車両は2台分の車いす固定スペースがある大型ノンステップバスで運行し、車いす1台分のスペースおよび一部座席に出荷物を積み込む。

(画像:神姫バス プレスリリースより)

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