福井県勝山市の郷土料理【笹寿司・いもぼた】ってなに?

福井県勝山市といえば、恐竜化石がたびたび発見される、言わずと知れた恐竜王国です。
市内にある恐竜博物館は連日多くの人で賑わっており、年間来場者数はなんと90万人以上。
しかし、勝山市の人口は約2万3千人で、少子高齢化が加速度的に進む集落もあちこちに存在しています。
今回はその中でも、特に人口の少ない地域にお邪魔し、郷土料理作り体験をしました!

人口はたったの一人!なのに年間千人以上が訪れる小原地区

勝山駅から車を走らせること25分。
恐竜博物館を通り過ぎ、次第に山深くなる景色を眺めていると、登山道のすぐ手前にある北谷町小原地区に到着しました。

小原の人口は、なんとたったの一人。
にも関わらず、交流人口は、外国人も含め年間千人を超える地域です。

あふれんばかりの緑の中には、住宅もちらほら。
現在の人口は一人ではあるものの、お仕事や畑のために集落に通っている方が数人いらっしゃいます。

小原では、人口の少なくなってしまった集落の再生・活性化のために、古民家再生や修復活動を含む小原ECOプロジェクトが行われています。
平成27年度ふるさとづくり大賞では最高賞の内閣総理大臣賞を受賞し、現在でも、地元の大学生や訪れた人々によって地域づくりが続いています。

小原に訪れる人々の拠点『農家民宿 フクジュ荘』

そんな小原のハブのようなスポットになっているのが『農家民宿 フクジュ荘』。
通常の民宿としてだけでなく、交流事業やツアーの際の宿泊施設として使われています。

今回小原を訪れたのは、フクジュ荘でインバウンド向け食文化体験をするため!
外国の方にも喜ばれている、自然や地域の文化と触れ合う体験ができるとのことで、ワクワクでやってきました。

出迎えてくれた國吉さんに案内されたのはここ。

今回はフクジュ荘のすぐ近くにある別の建物にお邪魔して体験しました

土壁と木でできた建物は一見蔵のようでもあり、中はそこまで広くないのかな?という印象を受けましたが、実際に入ってみるとかなり立派!
玄関を入ってすぐに囲炉裏が目に入ってきます。
落ち着く〜。

勝山の食文化体験

今回は、勝山の郷土料理である笹寿司といもぼたを教えていただきました。
まずは笹寿司から。

刻んだ生姜が入った酢飯を丸め、取ってきた笹の葉にのせたら鱒をのせます。

酢飯を笹の葉で巻いたら、もう一枚の葉でさらに巻いて楊枝でさす。

たったこれだけの簡単な工程ですが、慣れるまではしっかり巻くのがちょっと難しかったです。

出来上がったら押し寿司用の入れ物に入れます。

福井県の公式恐竜ブランド「Juratic」のラプトくんも見守ってくれました。

蓋をしたら、重しとして石をのせます。

あとは待つだけ。

30分ほどして蓋を開けてみると、しっかり押されて、ちょうどいい形になった笹寿司が出て来ました!

いもぼた

続いては、『いもぼた』なるものに挑戦!

待っている私の前に出て来たのは、すり鉢に入ったお米と里芋。
いもぼたは、里芋と米(もち米は一切入っておらず、うるち米のみ)を合わせてぼた餅にしたもの。
和菓子に里芋を使うとは、驚きです!

作り方は、お米と里芋をすりこぎでひたすら潰すだけ。

潰し具合はお好みでいいそうなので、今回はしっかりめに。
できたら丸めてきな粉やあんこをつけて完成!

試食!

最後に、笹寿司と一緒に試食をしました。

笹寿司は、ほのかな笹の香りとしっかりめの生姜の風味がぴったりで、さっぱりとした美味しさでした。

いもぼたは、混ぜる前にちょっぴり入れた塩と、あんこやきな粉の甘さが絶妙!
塩は少し多めに入れると、味がしまってもっと美味しくなりそう。

今回教えていただいた笹寿司といもぼたは、どちらもお祭りや稲刈りが終わった後など、おめでたい日に食べるものです。

里芋を和菓子に使うことに驚きましたが、里芋は勝山市周辺地域の名産の一つ。
甘く煮るのが定番だと思っていましたが、勝山周辺ではこんな風にぼた餅にしたり、茹でて塩をかけたり、さまざまな調理法の里芋が食卓を飾ります。

人口たった一人の集落で出会った郷土料理は、勝山の文化や風土を強く感じられるものでした!

※フクジュ荘では食文化体験以外にも、紅葉を楽しむ登山や古民家修復などさまざまな体験ができますが、人数によっては受け入れができない場合があります。必ず事前の問い合わせをお願いいたします。

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