ペットの病気はいくらお金かかる?ペット保険は入るべきかは総額を考えよう

新型コロナウイルスの影響で、在宅ワークが増えています。自宅にいる時間が長いので、その分ペットとふれあう時間も長くなります。かわいいペットと暮らすのは心が癒やされますね。

在宅ワークをきっかけに、ペットを飼う人も増加しているそうです。アニコム損保によると2020年4〜6月の新規契約数は四半期ベースでは過去最高だったとのことです。

人間の社会では長寿化が進み、医療費の負担がどんどん増えていることが大きな問題になっています。ペットの世界も同じようです。アニコム損保の「家庭どうぶつ白書」によると、この10年で犬の寿命は+0.7歳、猫は+0.5歳延びました。これは人間に比べると飛躍的な延びになるそうです。

しかし、高齢になると、どうしても医療費がかかってきます。そこで、ペットにかかる医療費を抑えるために、ペット保険を検討も必要してもいいかもしれません。現在、損害保険会社と少額短期保険会社あわせて14〜15社からペット保険が発売されています。さて、今回は、ペット保険について考えていきましょう。


ペットが病気になったときにどのくらいの費用がかかるのか?

人間なら病気になったとき、病院で治療を受けても、公的健康保険があるので、病院の窓口で支払うお金はかかった治療費の3割です(一般的には)。ところがペットには、保険制度はありませんから、全額自己負担になります。

では、どのくらいのお金が必要になるのかというと、例として次のような費用がかかります(アニコム損保「家庭どうぶつ白書」2019)。

【犬に多い病気と年間平均治療費】
・外耳炎 3万9,782円
・弁膜症 22万5,810円
・嘔吐/下痢/血便 3万6,198円

【猫に多い病気と年間平均治療費】
・慢性腎臓病 27万2,598円
・嘔吐/下痢/血便 3万7,601円
・膀胱炎 4万5,741円

ペット保険の特徴とタイプは

それではどんなペット保険を選べばよいのでしょうか? まずは補償と特徴をタイプ別に確認しましょう。ペット保険には、次のような違いがあります。
・年齢/種類による保険料
・補償割合
・支払い限度額
・免責金額
・窓口精算か立替精算か
付帯サービス
上記の違いを知った上で、自分のペットにあう保険を考えていきましょう。

・年齢/種類による違い
猫と犬では保険料が違ってきます。さらに年齢によっても保険料は大きく違います。もちろん年齢が上がるにしたがって保険料も上がります。新規加入ができる年齢は保険会社により異なりますが、だいたい8歳未満〜12歳未満ぐらいです。犬・猫の種類によっても保険料が違ってきます。たとえば、フレンチ・ブルドックは、犬の平均診療費の約2倍の診療費がかかるそうです。

・補償割合
補償割合とは、診療費の何%を補償するかということです。これは70%とか50%など、いくつかから選ぶことができます。なかには100%という商品もあります。補償割合が70%というのは、自己負担が3割と言うことで人間の保険に近いですね。もちろん50%補償の方が保険料は安くなります。

・支払い限度額
補償割合が70%のプランに申し込んだとしても、無制限に補償があるのではなく、限度額が設定されています。年間の支払限度額が決まっていたり、入院などの日額の限度額が決まっている場合もあれば、限度額のプランを選べる保険もあります。これは保険会社によって異なります。

・免責
たとえば免責が5,000円というのは、治療費が5,000円以下だった場合は免責になり、補償がないと言うことです。言い換えれば免責を超える治療費だった場合に補償があるのです。免責金額が決まっている保険会社もあれば、免責金額を選べるタイプの保険会社もあります。

ちなみに、ペット保険の補償の対象となるのは、ペットが病気になったときの治療費です。予防接種、ノミダニ駆除薬、健康診断などは補償の対象外になります。

・窓口精算か立替精算か
窓口精算型は、人間の健康保険のように補償割合70%を選んだ場合、病院での支払いは3割負担ですみます。
立替精算型は、病院では一度全額を支払って、その書面を保険会社に送って保険金を請求する仕組みです。診断書の文書は有料になることもあります。

・付帯サービス
保険会社で独自に行っているサービスです。アニコム損保の付帯サービスを例にして説明をすると、「どうぶつホットライン」は、LINEで獣医師に、ペットの悩み事を相談できます。また「腸内フローラ測定」は、無料で腸内フローラの測定を行ってくれます。「迷子捜索サポートサービス」というのは、ペットがいなくなったときに捜索のお手伝いをしてくれます。

ペット保険は保険料の総額を考えてみよう

上記の補償内容の組み合わせ方で、ペット保険の保険料は決まってきます。注意するところは、若い頃の保険料は安いのですが、7〜8歳からぐっと上がってきます。ですから、保険の総額で考えるようにしてください。ペット保険は総額で考えるとそれなりの金額になります。健康なペットの場合には、それほど治療費もかからないということもあるのでよく考えてください。

ただ、ペットは症状を訴えることができないので、病気が急に悪化することがあります。そのため治療費を心配して処置が遅れてしまうこともあります。しかし、ペット保険に入っていると、治療費が高い場合でも選択肢を広げる可能性があります。それが、ペット保険の大きなメリットということができるでしょう。

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