引退翻意のSB吉住 新たな投球フォームで〝ダルへの恩返し〟誓う

吉住(中央)は育成練習を終え、取材対応した

今季から育成で再出発となった2018年のドラフト1位・ソフトバンクの吉住晴斗投手(20)が13日、筑後のファーム施設で育成練習に参加。〝ダルへの恩返し〟を誓った。

昨年末に戦力外通告され、球団から育成契約の打診を受けたが「3年間で今年が一番しんどかった」と引退することをほぼ決めていた。

そんな時に先輩の石川柊太投手(29)を通じてLINEをくれたのが面識もなかったパドレスのダルビッシュ有投手(34)。やり取りを続ける中で「もったいないんじゃないの?」とかけられた言葉に心が動き引退を翻意した。

現役続行の決断を機に心機一転。横手投げに挑戦することも決めた。

ダルビッシュからは、その後もLINEでトレーニング方法やサプリメントの知識、変化球の感覚にいたるまでアドバイスを受けている。もちろん、これには感謝しきりで「刺激はめちゃくちゃあります。一軍で投げるというのが一番の恩返しになると思う」と目標を掲げた。

ドラ1として期待されながらも3年間一軍登板はなし。二軍でも目立った成績は残せなかった。ボールが指にかからず「投げるのが嫌な時期もあった」と振り返る。

ただ今は違う。新たな投球フォームを確立するため、試行錯誤しながらも懸命に前を向いている。「今は去年のシーズン中より気持ちが入ってます。前より気持ちよく投げられている」と晴れやかな表情を浮かべた。

ダルビッシュへの感謝の思いを胸に――。再び支配下昇格を勝ち取り一軍マウンドに立つ。

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