新潟県の花角英世知事と県内30市町村長が新型コロナに関する意見交換、県央地域への感染対策呼びかけ強化を決定

意見交換の様子。写真手前に新潟県の花角英世知事。奥のモニターに各市町村長が映る

新潟県の花角英世知事と県内30市町村の首長は13日、中継を結び、新型コロナウイルスに関する意見交換を行った。また会見後には、感染者が増加している県央地域の住民へ対して、これまでよりも強い感染対策を呼びかけた。

意見交換は冒頭を除いて非公開で行われたが、県内の感染状況や医療体制に関する情報の共有や、県民へのワクチン配布に向けた取り組みが話し合われたようだ。特に、12月頃から感染者が増加している県央地域(三条保健所管内)については感染者の傾向や行動に関する分析を共有。同地域に向けたこれまでよりも具体的で強力な感染対策の呼びかけを行うことで合意したという。

県央地域へ感染対策の呼びかけ

県が発表した県央地域への呼びかけ

保健所別の患者数を見た場合、警報発令以前から三条保健所管内は新潟市に次いで多く、発令以後は県内で最も感染者が増加しているという。その内訳を見た場合、10歳代から20歳代の若者と、その親世代である50歳代の感染が目立つ。

さらに、同地域では県内患者からの感染と感染経路不明の割合が多いことから、県では、帰省などにより持ち込まれたウイルスが、家庭内・院内感染を引き起こしているとの見方を示した。加えて、市中感染の可能性も考慮しているという。

また、国分科会の分析では5人以上の感染者が発生した国内の状況は、カラオケとホームパーティを含む飲食関連が最も多い。

これらの分析から県では、県央地域への呼びかけ強化を決定した。具体的には、三条市、燕市、加茂市、田上町、弥彦村に住む10歳代・20歳代の人へ対して、今後10日程度の飲み会や複数人でのカラオケ利用などの自粛を呼びかける。また、体調の異変を感じた際には新潟県新型コロナ受診・相談センターなどで早めの検査を受けることを要請した。

新潟県の花角英世知事

花角知事は意見交換後の囲み取材にて「『県央へもう一段強い呼びかけをするべきではないか』という意見を何人かの市町村長からいただいた。県央だけでなく他の地域へも共通する課題として、若い人への呼びかけを早急に検討していく」と寄せられた意見と今後の動きについて話した。また県央地域の休業要請に関しては「論点としてはあると思うが、今回の意見交換では話題に上がらなかった」という。

なお、三条市の滝沢亮市長は意見交換前の13日14時に会見を開き、若者への呼びかけと、チラシ折り込みなどによる周知の開始を発表している。

来県者の雇用へ対する要請や県内検査体制の拡充について

県が発表した事業者への呼びかけ

県央地域の他にも、来県した従業員による感染が拡大している事例が発生したことから、県外から応援の従業員などを雇用している事業所へ対して、来県前のPCR検査の実施や感染防止策の徹底の呼びかけも実施した。

また県では、新型コロナウイルスの検査体制を拡充するため、重症化のリスクの低い軽症者などの検査を実施する「PCR検査センター」を16日から下越地域に開設する。検査時間は10時から15時30分を予定しており、検査予約は専用のサイトから24時間可能である。検査センターでは、1日100件程度のPCR検査を実施可能。

意見交換に参加する各市町村長

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