秋田臨海鉄道線 2021年3月に鉄道事業を終了、日本海側の臨海鉄道が消える

「令和3年3月末をもちまして事業を終了することを決定し、令和2年9月25日付けで国土交通大臣あて鉄道事業の廃止の届出を行いました」

秋田臨海鉄道はことし2021年3月、鉄道事業を廃止する。1971(昭和46)年に秋田臨海鉄道線 北線・南線が開業してちょうど半世紀、50年で鉄道事業が消えることに。

秋田臨海鉄道は、1965(昭和40)年の秋田湾地区新産業都市指定をうけ同地区に進出した企業らの貨物を効率的に輸送すべく、秋田県・国鉄・関係企業が出資して設立した、第三セクター地方鉄道。

南線・北線の全線開業後は、向浜や内港、大浜、飯島の各地臨海部を発着する大量の原材料・製品の輸送を担ってきた。

シーアンドレール輸送構想や、保有ディーゼル機関車は……

そのルートは、奥羽線 土崎駅から海側(西側)へぐるっと分岐し、JR貨物 秋田港駅へ。秋田港駅からさらに南北に分岐する2線が、秋田臨海鉄道線 南線 秋田港~向浜 5.4km と、北線 秋田港~秋田北港 2.5km。

秋田北港へと至る北線は、2015年に休止。秋田北港駅は、硫酸輸送の廃止で保安設備確認運転のみを実施中。秋田港を環日本海ゲートウェイとしたシーアンドレール輸送の実効性を確認する実証実験の舞台にもなった。

向浜にある日本製紙 秋田工場へとむかう南線は、同工場の貨物輸送がことし3月からトラック輸送に切り替える。このタイミングで、秋田臨海鉄道は鉄道事業の廃止を決めた。

保有するディーゼル機関車は、国鉄DD13形タイプのDD56形2両や、十勝鉄道やJR北海道からやってきた国鉄DE15形タイプのDE10形が3両いる。このくるまたちの行方はまだ明らかになっていない。

© 株式会社エキスプレス