那覇空港8カ所に陥没・空洞 滑走路の連結部緑地、原因は不明

 沖縄総合事務局は13日、2019年12月から21年1月9日にかけて、那覇空港の第1滑走路と第2滑走路を結ぶ連結誘導路の緑地帯で、計8カ所の陥没や空洞が見つかったと発表した。北側の護岸沿いで見つかった陥没は、面積約2.5平方メートル、深さ70センチの大きさだった。全て埋め戻しをしていて、南側の護岸沿いで見つかった陥没では、埋め戻し作業を11回実施した例もあった。原因は不明。同局によると、陥没や空洞は緑地帯にあるため、空港の運用に支障はない。同局は15日に原因究明と抜本的な対策工法の検討を行う技術検討委員会を開催する。 沖縄総合事務局によると、他の埋め立て地の第2滑走路などでは陥没は確認されていない。連結誘導路での試掘調査の結果、北側と南側双方の護岸ののり面に敷設していた防砂シートに、強度低下や一部破損を確認した。同局は防砂シートの破損箇所から埋め立てに使用した海砂などが護岸内に流れ込み、陥没と空洞が生じたとみている。

 連結誘導路の別の場所では防砂シートの不具合は見つかっていない。同局は検討委での専門家による知見を踏まえた上で原因を判断する。

 沖縄総合事務局開発建設部の担当者は、最初の陥没確認から1年余を経た後に発表に至った点について、「埋め立て地で局所的な陥没はまれではない。これまで通常の維持管理で対応していたが、今回、防砂シートの破損を確認し、検討委を立ち上げるので公表に至った」とした。技術検討委は委員長の池田龍彦放送大学副学長のほか、国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所の研究員や国交省空港施設研究室長ら計8人がメンバーとなる。

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