「今野敏サスペンス 警視庁強行犯係 樋口顕」放送直前完全リモート取材会!

(C)テレビ東京

テレビ東京で、今週1月15日より金曜8時のドラマ枠で「今野敏サスペンス 警視庁強行犯係 樋口顕(ひぐちあきら)」の放送が始まる。警察小説の名手・今野敏の原作をドラマ化した「警視庁強行犯係 樋口顕」シリーズは15年以上にわたりスペシャルドラマとして9作放送され、ついに待望の連続ドラマ化となる、テレビ東京の正統派ドラマを代表する骨太な作品だ。

新型コロナウイルス感染予防のため、完全リモートで取材会を実施。主演の内藤剛志、そして榎木孝明と佐野史郎3名が登壇。同年代3人が撮影の合間に話に花を咲かせた。

Q.1月15日(金)夜8時から初回2時間スペシャルということで、樋口警部の娘・照美さんにも大事件が起こりますが…皆様から見どころを一言ずついただければと思います。

内藤)そうですね。見どころはもちろんすべてなんですが、初め本をいただいたとき「これ、最終回がいいんじゃないか」と申し上げました。なぜならばですが、僕たちも3人もそうなんですけども、どこにでもいる男たちが頑張るっていうドラマなんですね。この1話は非常にエモーショナルな話で、そういうところから始めていいのかなと初めは思ったんです。

でもそういう男たちが色んな事件に立ち向かうという意味で言えば、この話からスタートするのはいいのかな、と思っています。1話は“正義”についての話なんですね。“正義”っていうのは何が正しいかって答えが出ないんですね。僕たちも一生懸命考えながらやりましたけども、「ある答え」に辿り着いてるわけではなくて、ご覧になっていただいて「正しいことをするっていったらどういうことなの?」ってことを考えるきっかけになってくれれば、とても嬉しく思います。

佐野)やっぱり今回は樋口家の話が本当に重厚で、とんでもないことになるので、照美ちゃんを中心として家族、刑事、そして氏家は友人としての葛藤が一番の見どころ。連続ドラマに入る前からこのメンバーでずっとやってきて、家族や友情や仕事での(心の)揺れ動きがやってて一番おもしろい。連続ドラマになって大きくフューチャーした部分だと思うのでそこが見どころです。

榎本)一番は樋口班のチームワークぶりでしょうかね。佐野さんもおっしゃったように(我々)3人が同級生ってこともあって、お互い根底に気を許せる部分があってそれも芝居にでると思う。しかも原作者の今野敏さんも同い年。彼もハードボイルドタッチを得意とする作家なので、その要素が実に見事にこの作品には入っていると感じます。なので単なる刑事ものというより、複合的な要素があって内藤剛志を中心にまとまったチームワークの良さは1つのウリになると思う。

佐野)毎回色んな事件おきますけど、今回は単発の時より地上波でありながらディープな内容に踏み込んでいる。

内藤)そうなんですよ!

佐野)表面上は“正義”の話なんですが、コアな部分はこのコロナ禍で皆が色んな意見を言い合って何が正しいのかっていう役柄ではあるが本音というか皆がどう思っているか色んな意見を三者三様でぶつけ合ってるっていう意味では、ただ役柄を演じてる、ただ物語をすすめているだけではない「今の世に問う」内容になっていると思います。

内藤)身近にあることって結構深いことじゃないですか?だから刑事ドラマとしては楽しんでいただきながら、結構僕たちの思いも詰まってるドラマになってるかな、ってそう思います。

佐野)コロナ禍のモラル、司法、正義、果たしてそれが正しいのか…警察官でありながら悩む…

内藤)楽しむポイントがたくさんあると思います!

司会)個人的にお三方が揃うと60歳代の超カッコイイ「アベンジャーズ」だと思ってるんですけども…

3人)笑

内藤)まあね。前期高齢者だからね(笑)

Q.強行班係の若手刑事(菊池刑事、藤本刑事、中田刑事)など仲間たちの中で気になるキャラクターはいらっしゃいますか?

内藤)実はさっき褒めたばかりなんですが…

佐野)褒めてたねぇ…(笑)

内藤)(樋口班の)若手の3人。一話の完パケ見たら若手の3人(菊池和馬役の佐野岳、藤本由美役の片山萌美、中田裕之役の小松利昌)がすっごく良かった!それはそれぞれが工夫して、それぞれが立ち位置を変えながら、なおかつチームワークが良いんですよ。俺あんまり人を褒めないんですよ。だって悔しいし(笑)。

佐野)そうなの?(笑)

内藤)でも言わなきゃって思って。1話では僕とその若手の3人は離れていて、どういう動きをしてるか知らなかったんですが、すばらしいと思った。3人が違う形で個性を発揮している。すごい3人ともすばらしいと思う。誰がということでなく!俺あんま褒めないんですよ。3年に1回ぐらい褒めますけども(笑)。本当に今さっき!

榎木)そうだね!3人の前で褒めてたね。

内藤)あぁ。褒めちゃったよ!だいたい若い芽は潰すべきなんですけどね(笑)。…いやいやそんなことはないけども(笑)

一同)大爆笑

榎本)私が演じる天童の甥っ子で佐野くん演じる菊地が登場しているんですが、彼が現代っ子の代表でやってくれている。芝居もそうだけど、それを通り越した楽しみ方がなんか膨らんだ気がして。身内が捜査本部に入ってきてどうしようかなっていう。唐突に変なことを言い出す。大人の常識が通用しない。でも一概にそれは「悪」ではない現代で、「こんな子いるんだ」という思い。実生活と芝居なんか混ぜこぜに感じておもしろい。

佐野)連続ドラマが始まる前に家族背景みたいなものを話していたんです。天童さんは奥さんがいるようないないような…謎でね?

榎木)そうそう。肉親が物語に入っていることで面白さが倍増するというか。

内藤)甥っ子がいることで幅が広がる。氏家もまた謎だよね。

佐野)そうそう。そのあたりの背景が事件に絡んで2重に重なって見えるんですね。(自身が演じる)氏家は独身なんで。だから今まではそんな感じなかったけれど、菊池刑事に対してもある回なんかは(樋口班を)息子として見ている。藤本刑事は娘って感じで見ている。ちょっと教育しなきゃいけないな、みたいな気持ち。強行犯係を家族として見ているって気持ちが回を重ねるごとに出てきました。これから事件解決もだけど、楽しみですね。

榎木)天童にも言うに言えない、樋口、氏家にも話してない秘密があったりするって設定を自分の中で作ってる。それが事件に絡んでくるようなことがあれば…。

内藤)あるインタビューで榎木が突然、キャラクター背景を言い始めて、俺らちょっと引きましたからね(笑)「そんな設定なの!?」って(笑)でも面白いなって。凄いんですよ、天童さん。…皆さんには内緒です(笑)いつか白日の下にさらされる日がきますよ!(笑)

佐野)もしかしたら作家さんはそういうつもりで書いてないかと思うけど、シリーズになっていくと自然とそういう風になっていくんですね。だから、楽しみにしてます。

Q.みなさんは警察ドラマによく出演されていると思いますが、警察ドラマでの“現場あるある”はありますか?

内藤)名前を覚えるのが大変!とにかく僕たちは容疑者であったり、もちろん犯人であったり、あるいは被害者であったり、関係者であったり…毎っっ回たくさんの方が出てきて。名前には意味がないんですよね。なのでNGが出るポイントはそこが多いんです。だから例えば北山なのか、北川なのか、北村なのかが、わからなくなったりする。よく皆さん「専門用語、難しいでしょ」とおっしゃるんですが、専門用語より人間の名前が難しいんです。僕が提案したいのは、犯人は全部田中さん、被害者は全部鈴木さんにしてくれたら、俺たちめっちゃ楽ですよ!すみません、田中さんと鈴木さんにはなんのアレもないですけど(笑)、そういうふうにしてくれるとありがたい。名前とか会社の名前とか意味のない固有名詞を覚えるのが大変です。ごめんなさい、これは僕の中のあるあるです。

佐野)いやいや、あるある!3人のあるあるです(笑)

榎木)もうずいぶん前ですけど刑事さんとお話しできる機会があって「こういう場合はどうなんですか」逆取材をすごくして。例えば「指紋をどうやって取ったんですか」って聞いて、「それは言えませんけど」と言ってたのに、しつこく聞いたら少しだけ教えてくれて(笑)。すっごいリアルなの。本当面白いやり方で。

佐野)指紋取られたことあるよ。近所で聞き込みに来てて。顔わかってるんだけど、俺、犯人役多いし(笑)。いかにも「芸能人だ!」みたいな感じで「佐野さんサイン下さい」って言われて、しょうがねぇなあと思いながらサインしたんだけど、あとで気がついたら、指紋が取れるボールペンだった。こうやって取ってるんだなあって。

内藤)多分俺は2人よりも刑事役が多いと思うんですよ。そうすると警官に黙礼される!

佐野)それは丹波(哲郎)さん以来だね(笑)

内藤)そうそう!ありがたいことですけど。あと京都だったり、他局で申し訳ないですけど(笑)刑事の(役の)名前で呼ばれたりします。

佐野)でも真面目な話、容疑者の名前だったり被害者の名前であったり、フルネームで呼ぶじゃないですか。それは誰が誰だってことを視聴者の皆さんに伝えなきゃいけないけど、普段話してる時にフルネームで人のことを話さないでしょ?説明ゼリフになっているのを、理路整然として、いかにこうやって普通に話をするかっていう戦いは、刑事ドラマで一番格闘するところです。まあでもそれも楽しくはありますよね。

Q.改めて感じたお互いの魅力を、内藤さんから佐野さんに、佐野さんから榎木さんに、榎木さんから内藤さんに向けて、お聞かせ下さい。

内藤)(佐野に向けて)長いんですよ、付き合いが。佐野は理屈理論をきちっとする。彼はちゃんと自分の中で成立したセリフしか絶対言わないんですよ。これってものすごく大事なことだと。理屈理論っていうと難しくなりますけど、「これどういうことなんだろうな」っていうことは必ず聞くし。佐野のすごいところって“分析力のすごさ”だと思う。うまいセリフを言うとか、いい演技をするじゃなくて、これ芝居する前に一番大事なことだと思う。それが佐野の一番の魅力ですね。

佐野)ありがとうございます。確かにわからないとなんの話してるかわからなくなっちゃう。だからって一番最初からやらないよ。榎木さんは、いつも体の話になるじゃない。古武術やってらっしゃるから。普段お芝居で役者として立ってる時も、体の居方みたいなことが一番ニュートラルでいるから、それはとってもすごいなって。武術者だから当たり前っちゃ当たり前なのかもしれないけど。そして特に現場って間違ったことだらけ。その間違ったことだらけの時に正しい体で対峙する。そこが一番の魅力だなと思います。

榎木)ありがとう。内藤剛志は、まだ全然売れてない時から同じ時代劇で会って。そこが原点になってるのかな。下手すると40年近く一緒だったりするけど、それ(原点)がある限り、いつどこで会っても、時間が空こうと空くまいと関係なく、ほっと気を許せちゃうところがあって。そういうのって芝居に出るんです。だから今回もそうだけど、根底にそれがあると、役者としては…楽って言うと言い方違うかもしれないけど、その信頼性はすごく大事だと思うんだよね。

佐野)50過ぎて年重ねるとわかってくる楽しみですよね。

内藤)2人と会えたのは必然なんだけど30年40年、本当にやってるんですよ。そこが絶対に染み出てくる。いい意味でね。

榎木)(内藤は)本当に信頼に足りる人物です。

内藤)ありがとうございます!

【1月15日(金)第1話「正義」 あらすじ】

駅前でスーツケースから松生一彦の毒殺遺体を発見。ポケットに「正義」のタロットカード。樋口顕(内藤剛志)と氏家譲(佐野史郎)が調べると、松生は「神待ちサイト」で家出女性4人を集め殺害した連続殺人犯と判明。世論は正義の鉄槌を下すダークヒーロー「ジャスティス」の出現に沸き立つ。東洋新聞の遠藤貴子(矢田亜希子)とネットニュース記者の今井隆(塚本高史)らが警察の限界を糾弾する中、照美(逢沢りな)が何者かに拉致され…。

番組概要

【番組名】金曜8時のドラマ「今野敏サスペンス 警視庁強行犯係 樋口顕」

【放送日時】 1月15日放送スタート 毎週金曜 夜8時~8時54分 ※初回のみ夜8時から2時間スペシャル

【放送局】テレビ東京、テレビ大阪、テレビ愛知、テレビせとうち、テレビ北海道、TVQ九州放送

【出演】内藤剛志 矢田亜希子 逢沢りな 佐野岳 片山萌美 小松利昌 斉藤暁 川上麻衣子 榎木孝明 佐野史郎

【ゲスト】第 1話:塚本高史 前野朋哉 サンシャイン池崎 天木じゅん 染谷俊之

【原作】 今野敏

【製作】 テレビ東京 ユニオン映画

(C)テレビ東京

© 株式会社ジェイプレス社