救急車脱輪で10分遅れ 搬送後に患者死亡、因果関係なし 長崎県央消防本部

 県央地域広域市町村圏組合消防本部は13日、長崎県大村市内で意識不明の83歳男性の救急出動中、救急車が側溝に脱輪し、医療機関への到着が約10分遅れるミスがあったと発表した。男性は別の救急車で市内の医療機関に搬送された後、死亡が確認された。同本部は「医療機関によると、搬送遅延と死亡の因果関係はないと推測される」としている。
 同本部によると、12日午後10時5分、「男性が倒れ、意識、呼吸がない」と市内の民家から119番通報。約1.9キロ離れた大村消防署久原分署(久原2丁目)の救急隊3人が出動したが、民家の約300メートル手前の道路脇の側溝に救急車の右後輪が脱輪した。
 救急隊2人は同10時22分、救急車を降りて現場に到着。男性の心肺蘇生を始めた。この間、大村消防署(森園町)の救急隊が出動し、119番から43分後、市内の医療機関に搬送したが、死亡が確認された。
 同本部は諫早、大村両市と雲仙市の一部を管轄。同本部は「道路幅(2.5メートル)が狭いにもかかわらず、救急隊員を下車させず、幅員を確認しないまま進行し、側溝に気付かなかったのが原因。あってはならないことであり、遺族と市民に深くおわびする」とした。

 


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