野球殿堂入り、特別表彰の佐山氏 球歴なく「人生で今回くらい驚いたことはない」

ノンフィクション作家の佐山和夫氏が特別表彰で野球殿堂入りした

競技者表彰は該当者なし、特別表彰は元五輪監督の川島氏、ノンフィクション作家の佐山氏

公益財団法人野球殿堂博物館は14日、「令和3年野球殿堂入り通知式」を開催。競技者表彰は「プレーヤー表彰」、「エキスパート表彰」ともに該当者なし。競技者表彰がなかったのは、1998年以来23年ぶり。「プレーヤー表彰」と「エキスパート表彰」の2部門となった2008年以降では初めて。一方、特別表彰委員会から、1996年アトランタ五輪の日本代表監督を務め銀メダル獲得に導いた川島勝司氏、ノンフィクション作家の佐山和夫氏の2人が殿堂入りした。

殿堂入りには有効投票の75%以上の得票が必要で、今年の競技者表彰では有力候補が多く票が割れた格好。プレーヤー表彰部門(有効投票数358)では30人の候補がいたが、最高得票は72.3%(259票)の高津臣吾氏で、あと10票足りなかった。2位は68.2%(244票)の山本昌氏だった。

エキスパート表彰部門(有効投票数134)の候補は20人で、最高得票のランディ・バース氏は70.9%(95票)にとどまり、あと6票足りなかった。2位の掛布雅之氏は54.5%(73票)だった。

特別表彰委員会では、川島氏が有効投票数14のうち92.9%の13票、佐山氏は85.7%の12票を獲得し選出された。

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、殿堂入りの通知式はオンラインで行われた。川島氏はアトランタ五輪の決勝でキューバに壮絶な打撃戦の末、9-13と惜敗したが、「5回に松中信彦君が同点満塁本塁打を放った時には、全身総毛立つ感激があった。選手たちは最後まで『キューバを倒して金メダル』の目標へ向けてファイティングスピリットを見せてくれた」と振り返った。

日米両球界に関する著書の多い佐山氏は「私は野球が大好きだが、球歴は全くない。人生で今回くらい驚いたことはない」と夢見心地だった。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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