名捕手・モリーナ「魅力的なオファーがなければ引退を検討する」

カージナルスは投手と捕手がキャンプ地のフロリダ州ジュピターに集合するまで残り1ヶ月ほどとなっているが、まだヤディアー・モリーナとアダム・ウェインライトの両ベテランとの再契約が完了していない。現在38歳のモリーナは愛着のあるカージナルスとの再契約を望んでおり、カージナルスも不動の正捕手との再契約に興味を示しているが、モリーナは「もし魅力的なオファーがなければ引退することを検討するよ」とも発言している。

モリーナは2年契約を希望していることが報じられているが、カージナルスは今季の観客動員の見通しが立たないなかで補強プランが不透明な状況が続いており、具体的なオファーを提示するには至っていない。そんななか、モリーナは「ラ・ビダ・ベースボール」のポロ・アセンシオによるインタビューのなかで「俺は(シーズンに向けて)一生懸命準備している。神が望むなら、俺は戻ってくるよ。もしそうでないなら、俺は誇りを持って引退する」と語った。

モリーナは昨季までカージナルス一筋で17年間プレーし、9度のゴールドグラブ賞を受賞したほか、2度のワールドシリーズ制覇も経験。2000試合出場と2000安打も達成し、将来のアメリカ野球殿堂入りに向けて一歩前進した。カージナルスはそんなモリーナのことを球団の「財産」と考え、「セントルイスでキャリアを終えてほしい」という希望も持っているが、新型コロナウイルスによる財政難の影響でなかなか思うように動けないというのが実情だ。

フリーエージェント市場にはまだ球界最高クラスの捕手であるJ・T・リアルミュートが残っており、リアルミュートの契約が決まればモリーナの市場も本格的に動き始めるとみられる。カージナルスはそのタイミングまで待ち続けるのか。あるいは名捕手を確保するために先手を打つのか。「モリーナの流出がカージナルスに与えるダメージは予想以上に大きいだろう」と語る関係者もおり、その動向には大きな注目が集まっている。

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