産めば罰金となる子どもを妊娠したチベットの女性 堕ろすように諭す女性医師 映画「羊飼いと風船」本編映像

チベットに暮らす牧畜民の家族を描いた映画「羊飼いと風船」の劇場公開(1月22日)を前に、妊娠がわかった牧畜民の女性ドルカルと女性の医師が話をする本編映像が公開された。

公開された本編映像は、ドルカルの検査結果を待つ女性医師の姿から始まる。ドルカルの妊娠がわかると、中国の一人っ子政策によって3人の子どもがいるドルカルが産むと罰金を科せられることを、女性医師がドルカルに話す。そして女性医師は、「女の役割は子供を産むだけじゃない」「なぜまた産むの?」と堕ろすように諭す。ドルカルは苦悩の表情を浮かべたまま、何も言わずに立ち去っていく。

「羊飼いと風船」は、近代化によって中国の一人っ子政策の波が押し寄せる中、大草原で牧畜をしながら暮らす三世代の家族を描いた、チベットを舞台とした作品。信仰との向き合い方、牧畜民として生きる厳しさ、伝統的な役割を強いられてきた女性たちの選択が描かれる。第20回東京フィルメックスでは「気球」のタイトルで上映され、最優秀作品賞を受賞する評価を受けた。チベット映画の先駆者であるペマ・ツェテン監督の劇場初公開作となる。

羊飼いと風船
2021年1月22日(金)より、シネスイッチ銀座ほか全国順次ロードショー
配給:ビターズ・エンド
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