岡山・倉敷市議選でコロナ危機! 告示直前に現職市議が感染、クラスター発生

白壁の街並みが美しい倉敷の美観地区

新型コロナウイルスが日本全国で猛威を振るう中、選挙も大変なことになっている。岡山・倉敷では市議選が17日告示、24日投開票で行われるが、立候補を予定している現職市議のコロナ感染、陣営でのクラスターが判明し、選挙の実施に不安の声が広がっている。

感染が判明したのは矢野周子市議(67)。7日に発熱し、9日に陽性と判明し、現在は入院中で重症という。

矢野氏のSNSには、5日に選挙事務所で市議選へ向けた事務作業や来客対応する様子が投稿され、6日には液体かぜ薬の写真を投稿。「友人の薬局屋さんのすすめでのんでみました。何となくいい感じです」と寄せていたが、翌日に発熱し、受診となった。

感染はこれだけで収まらなかった。矢野氏の事務所に出入りしていた中から4人の感染者が判明し、市では14日、クラスター発生と認定したのだ。

「発症時期から推測すると、矢野市議が感染したのは先月。議会側は濃厚接触者はいないとのことだが、矢野市議は会派を超えた市議らの集まりの席に出席していた。市議は全員、PCR検査を行い、結果を公表すべきだが、選挙に響くからと拒否しているようです。ほかにも体調を崩した人がいるとの話で、説明責任がなされていない」(地元関係者)

選挙を延期すべきとの声もあったが、もはや時間切れで、17日告示、24日投開票の日程で行われる。市選挙管理委員会は投票所での新型コロナ対策は、アルコールの設置、使い捨て鉛筆の使用などを呼びかけているものの検温は実施しない。

「熱があるからといって、帰ってくださいとなれば、投票しないでくださいということになる。選挙権の行使の点から(検温の実施は)難しい」(担当者)

立候補予定者に感染者が出る中でも選挙は強行されるとあって、他陣営は対応に苦慮している。NHKから自国民を守る党は、立花孝志党首が告示日に立候補者の応援で、現地入りする。陣営は「握手はなしですし、街頭演説しようにも人が出ていないでしょうから街宣車を回し、ネットで訴える形の選挙になるでしょう」と話した。

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