1on1のバス釣りバトル「陸王」の3冠王でありながら、ボートフィッシングの腕前を競う「艇王」でも2016年に引き続き2020年に2度めの優勝を飾った金森隆志さん。なぜ彼は対戦相手よりもデカく、多く、バスが釣れるのか? その秘訣の一端を語ってもらった。
語り部は金森隆志さん
【Profile】
金森隆志(かなもり・たかし)
岡山県出身。スタイリッシュにでかバスを釣り続け、登場以後の岸釣りシーンに大きな影響を与えた。2011年にレイドジャパンを立ち上げ、ハードベイト、ソフトベイト問わず矢継ぎ早にヒットを飛ばし続けている。
ますはでかバスのいる場所で、でかバスが釣れる釣りをすること。
でかいバスを狙える「デカいルアー」「長いワーム」「サイト」
シンプルに、でかバスが釣れない人は、でかバスがいるフィールドに行ってないんじゃないの? っていうのはありますよね。これは確率の問題で、でかバスが少ないところで釣りをしていたら出会う確率がそもそも違ってしまう。
あとは、でかバスが釣れる釣りをしているかいないか。
やっぱり平均値的な釣りをしてしまうと平均値的な魚が釣れてしまう。なので、デカいルアー、長いワーム、もしくはサイトフィッシングなど、でかバスに近づくための偏った釣りをしているかどうかも重要です。
やっぱり、でかバスを釣ってる人は釣れる理由を持ってて、釣れない人は釣れない原因がある。釣れないという人は今までやってきたことをひとつひとつ変えていくしかないです。
情報量の多い「サイトフィッシング」はでかバスへのひとつの答え
3つ挙げた偏りのなかで、僕が効率よくでかバスを落としているのがサイト。確認して釣ることができるので外しがない。
クリアなリザーバーはもちろん、マッディなカスミでもサイトをします。
目で見ることでサイズ、癖、などいろんな情報がダイレクトかつスムーズに入ってくる。
なんで、僕はビッグベイトなどよりもサイトがメインのスタイルをとっていますね。
ただ、ここ数年でサイトをする人が増えたので、すごく難しくなってしまいました。
バス釣りってもっとイージーにデカいバスを釣る方法はいくらでもある。
サイトは効率と確率は高いですけど、非常に精度が求められる選択肢にはなります。
なので、サイトが絶対とは1ミリも思っていないですよ。自分に合っているというだけですね。
そして、よほど天性のものを持っていない限り、でかバスを釣ろうと思ったら観察力に尽きると思いますね。
やはり、状況を正確に掴めるということが重要です。
磨いた観察眼で釣り場の「偏り」を見つけるべし
フィールドの状態、エサが集まる場所、地形など、トータル的な観察眼が一番大事だと思うし、自分の強みでもあります。うん、デカいバスを釣りたければ観察に尽きるかな。
なかでも特に観察するのはエサですね。そのフィールドでそのとき一番エサが偏っている場所。バスがエサを簡単に食える場所。池でも川でもリザーバーでもまずはそこです。
僕はその偏りしか探さないし、その偏りで釣りをしている人間なので。
そのフィールドのなかで、エサの偏りの強いスポットというのはでかバスが釣りやすいです。なぜならでかバスもそこに偏って集まるので。
さらにいうと、重要なエサは野池ならば間違いなくギル。特に稚ギルです。僕は稚ギルを一年通して意識していますよ。
西日本の川やリザーバーであれば稚アユ。カスミ水系だとイナっ子。共通して言えるのは小さいエサということですよね。
なぜかというと、小さいエサは体力を消費せずに簡単に食えるのと、まとまってボール状に固まっていることが多いので一度に食いやすい。さらに、遊泳能力が低いので大きく移動することがない。
だからアングラーとしてもプランが組みやすいんですよ。明日行ってもあのへんに絶対いるな…っていう。人間からもバスからも非常にアテになる生き物たちなんです。非常にハメやすい偏りですね。
でかバスは決して多くはないので、普通の釣りではなかなかたどり着くことはできない。でかバスやエサの居場所がどこに偏っているのか、それを観察することが重要だという。