明治安田生命Jリーグは2021シーズンに向けた各チームの動きが進んでいる。
そうしたなか、今オフはいわゆる「トレード」のような2チーム間の移籍が多い。主な10のケースをピックアップしてみた。
ジョアン・シミッチと齋藤学
川崎フロンターレ⇔名古屋グランパス
川崎は2019年にもシミッチを狙っていたと伝えられており、名古屋での出場機会が減ったことで2年越しの獲得に成功。
今季ACLを戦う名古屋は選手層を厚くする必要があり、チャンスメーカーである上に攻守にハードワークできる齋藤の補強は大きそうだ。
小塚和季と下田北斗
川崎フロンターレ⇔大分トリニータ
リーグ屈指のパスセンスを誇る小塚。彼がチャンピオンチームでどのようなプレーを見せるのかは今季の川崎で楽しみな点の一つだろう。
下田は昨季出番こそ少なかったが、試合に出場すれば安定したプレーを見せた。実力派のレフティは大分でも重宝されそうだ。
渡邉千真と一美和成
横浜FC⇔ガンバ大阪(レンタルバック)
渡邉は元マリノスということで、10年ぶりの横浜帰還。FC東京、神戸、G大阪での経験を武器に前線の柱として期待される。
一方の一美も3年ぶりの復帰となり、レンタル先で磨いてきた得点センスを今季ACLに臨むチームで生かしたいところだ。
原輝綺とファン・ソッコ
清水エスパルス⇔サガン鳥栖
東京五輪世代の原。同い年の立田悠悟とともに、ロティーナ新監督のもとでどのような成長を遂げるのか注目される。
ファン・ソッコは昨季清水で左サイドバックでの出場が目立ったが、鳥栖では本職のセンターバックで起用されることになりそうだ。
藤田譲瑠チマと梶川諒太
徳島ヴォルティス⇔東京ヴェルディ(レンタル)
J2屈指の若手タレントとして今オフ注目された藤田を射止めたのは徳島。チームの大黒柱である岩尾憲にとっては心強いパートナーとなりそうだ。
代わりにというわけではないだろうが、攻撃的MF梶川が期限付き移籍で復帰を果たしている。梶川の東京Vでのプレーは2年ぶり3度目。
ディサロ燦シルヴァーノと六平光成
清水エスパルス⇔ギラヴァンツ北九州
昨季、初挑戦のJ2でインパクトを残したディサロが今度はJ1へ挑戦。黄色と赤が合わさり、オレンジのストライカーへと飛躍した。
小林伸二監督の古巣ということもあってか北九州は清水との“交流”が多く、六平以外にも高橋大悟、西村恭史が期限付きで加わっている(※高橋は延長)。
今津佑太と野津田岳人
サンフレッチェ広島⇔ヴァンフォーレ甲府(レンタル)
柏好文、佐々木翔、稲垣祥を獲得してきた広島にとっては、安心の“甲府印”。今回獲得した今津は184cmのセンターバックだ。
輸出するばかりだった甲府だが、今回は期限付きながら野津田がやってきた。5年ぶりのJ1復帰に向けて彼に期待しているサポーターは多いに違いない。
松本泰志とブルーノ・メンデス
セレッソ大阪(広島へのレンタルバックからのレンタル)⇔アビスパ福岡(デポルティーボ・マルドナドへのレンタルバックからのレンタル)
アクロバティックなトレードになったのがこの2人。ともにレンタルバックし、さらに期限付きという形でそれぞれのチームに加わることになった。
両者とも実力は昨季証明しているだけに、新しいチームでも重要な役割を担うことができるか注目される。
渡邉新太と星雄次
大分トリニータ⇔アルビレックス新潟
昨季20試合出場で7ゴール。本間至恩とともに注目を集めた新潟発のタレント、渡邉が新天地として選んだのは大分だった。
星は契約満了からの移籍となったが、J2で実績十分の28歳は新潟にとって大きな補強。一卵性双生児の兄・星広太(SC相模原所属)との兄弟対決実現にも期待。
加藤大と島田譲
V・ファーレン長崎⇔アルビレックス新潟
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最後は、J1時代にトラッキングデータ「走行距離ランキング」で上位の常連だった加藤が長崎へ完全移籍。
島田も加藤と同様、昨季期限付き移籍からの完全移籍移行ということで、こちらも珍しい形での「トレード成立」となった。