プロが語るアジングワームの使い分け。まずは大きなワームから投入して反応を見よう!【サーティフォー/家邊克己さん解説】

さて、寒くなってきてもアジは元気!ということで、足繁く海にかようアジングファンのみなさま。寒いことですし、効率よく釣りを楽しみたいですよね。そこで、ご存知、アジングプロとして、業界を牽引するレジェンド、家邊克己さんのわっかりやすい、アジングワームの選び方、使い方を解説します。

解説動画はこちらから! 記事のほうでは、ざっくりまとめさせていただきます。

アジングワームの使い分け【サーティフォーのワームで解説】

34のwebより画像抜粋。パフネーク

次点でメデューサ。サーティフォーで最大のサイズがウリ

アジは基本的に絶えずエサを捕食して生命活動を維持していく必要があると言われる、高機動型の魚です。魚のサイズに似合わず、大型のエサを好んで捕食する傾向が見られるときがあり、吸い込みやすく大きさもあるメデューサがハマることが多々あります。

34のwebより画像抜粋。

反応がイマイチならサイズを落としていく!

実は最初に挙げたパフネークは、節をプチっと引きちぎって小さくして使うという汎用性の高い側面があるので、そのままパフネークでサイズ調整して反応を見ていくということも可能なのですが、王道的には違うワームで反応を見たいところです。

2.2inのパフネーク、2.8inのメデューサの次にサーティフォーで大きいサイズは2.0inのキメラベイトです。なので、ルート的にはキメラベイトで様子を見るのが王道と言えます。

キメラベイト2.0in。エサっぽさと、絶妙の違和感。そしてフォールスピードがキモ

キメラベイトの特徴は、この珍妙なワームを2つひっつけたかのような、違和感のある形状でしょう。必然的にボリュームが増える、ボリュームが増えたことによる「スローフォール」<水の抵抗が増える>、エアポケットが搭載されていますので、さらにフォールスピードが落とせるという特徴があります。エアポケットない側を下にしたら、少しフォールスピードが早くなるとか小技も使えます。

家邊さんがメインベイトとして指定しているプランクトンに近からずも遠からずというフォルム。絶妙な違和感と波動でアジを魅惑するルアーとしての機能。フォール速度を落として、アジが溜まるレンジに長くドリフトさせる釣りという、「家邊アジング」に合致する申し子なんですよね。

キメラベイトでの反応がイマイチ! ならばよりマッチザベイトに振ろう!

キメラベイトはファットフォルムでスローにフォールするのが武器。ただ、このフォルムの違和感に拒絶反応を起こす局面があります。そうなってくると、より波動的にナチュラルで、エサとして捕食されているプランクトンに近い形状のワームが出番となってきます。

となると、サーティフォー定番中の定番「オクトパス1.8in」の出番です。

オクトパス1.8in。プランクトンを意識したアジングの王道、ド定番!

巻いてよし、動かしてよしの万能型。それなのに、フォール時もこの考えつくされたリブの形状でピリピリと動き弱波動を発生。サーティフォーワームのなかでひとつ選べと言われれば、これかキメラベイトで迷うほどの名作です。ロッドなどによる能動的なアクションを加えない場合、自発的な動きを見せるルアーというのは魚の興味を引きます。

プランクトン・アジングの申し子、その名もプランクトン1.8in

1.8inということであれば、よりプランクトンと吸い込みを意識したツインテールのこのワームの出番。フォルムの変更という変化、アジのフッキングがアタリがあるのに乗りにくいなんて場合は、チョイスしてみるのも手。

Jr.1.3inで盤石の布陣。オクトパスのダウンサイジングバージョン

ただオクトパスのCADのデータを小さくした。っていうダウンサイジングではありません。ちゃんとリブのカットやワームの形状を調整して小さくなったのがこのワーム。くいの渋さをサーチで感じたら、オクトパスをすっとばして、1.3inで反応を見るのもひとつの手。アジが小さくなればなるほど、この手のサイズが活きますが、逆のパターンもあったり。尺アジグラスが好んでこのサイズを偏食することもあるので注意です。

もう1本。仕事人を紹介。

ツウに人気のある波動両刀遣いのフィッシュライク1.5in

イワシの稚魚などのベイトフィッシュをアジが追いかける局面は減ったと言われる昨今ですが、それでもマズメ時には、その状況になることもあると常々解説される家邊さん。フィッシュライクはそんなベイトフィッシュを模したワームではあるのですが、操作時の不安定さがウリでもあるので、それを意識してプランクトンワームとして扱うことも可能です。お腹のフィンで流れを受けるとバランスを崩し、アジの捕食トリガーを引くという仕掛けを内包しています。サーティフォーのワームのなかでは、意識的にベイトフィッシュを模した唯一のワームではないでしょうか。

形を変える

アジの主食はプランクトンですよ!と言われても、プランクトンと呼ばれる生物には無数の種類があります。総じて動物性の漂うタイプのプランクトンを意識するのですが、ぶっちゃけそれぞれ、食べられているプランクトンに、細部まで似たワームなんてのは必要ありません。

プランクトンのサイズ、細いか太いか。せいぜいこの2点をまず決めます。カラーについては、環境次第ということになります。

ということで、サイズを変えることで使うべきワームを調整していきましょうという家邊さんですが、次に、フォルムにも注目するようにアドバイスされています。

キメラベイトは少々特殊ですが、いまのところパイロットとしてストレート系のワームを紹介してきました。ストレート系のワームに反応が薄いと感じた場合、さらなる釣果を出せないか模索したい場合、ファット系のワームにシフトすることをすすめています。

アジが吸い込みやすいファット系、タープル1.6in

ファット系というフォルム的、視覚的効果はもちろんですが、ストレート系よりも水の抵抗を受けやすいことからスローにフォールするという家邊さんが提唱するプランクトンを意識したスローアジングも実践しやすいアイテムです。ローテーションの一角に据えやすい、わかりやすい変化を与えることで、状況の確認をすることが可能です。

視覚変化の隠し玉

オービー1.6inは微波動・視覚変化型ワーム

公式webでの解説を見ると「通常のピンテールでは動き過ぎる部分をこの玉で動きを抑制し、リトリーブ・テンションフォールのどちらでも同じようにナチュラルに誘えます。」とのこと。

家邊さんの開発時のコダワリも掲載しておきましょう。

「最初このワームを作るにあたりオクトパス→Jr.とピンテールと開発の流れがきていて、その後だったので視覚効果を上げるために球体の水流変化に注目して玉を付けたのです。

その当時から水中に潜っての水中観察からテールの動きに関してはピンテールのような僅かな動きの方が魚には好反応だということがわかっていました。

そこにいきついた理由は、動きの激しいワームとピンテール系、比較観察を水中で繰り返すとワームの後ろに付いて行く魚の量が全然違う所からそう考えたのです。その観察はアジでは残念ながらなかったのですが、どの様な魚であれ好反応する形がいい筈で、この傾向は幾度テストしても変わらなかったんですよね。

オービー開発当時に、アジは視覚を頼りに餌を探していることを確信し、この状態で視覚効果を上げるにはどうしたら良いかを考えた時に球状の水流抵抗に付いての記述を読んだんですよ。なら、この形状なら激しく動くことなく視覚効果をあげられるのではないかと考えてテストをしていたのです。そうしましたら思ったような効果がでました。で、玉が1個よりも2個の方が釣果が上がったのでこの形状になりました」

9種類のアジングワームにそれぞれ役割や特徴あり!

アジングはバスフィッシングやシーバスフィッシングにくらべて、一回の釣行に投入するワームの種類は絞られますが、1種類で釣りを続けるより、より釣果を上げるには。より大きな魚を釣るには。逆にそこにいる豆アジを仕留めるためには...とゲーム性を広げると、多様なワームの役割を理解し、投入することで成果を増加させることができる釣りです。

今回は専門メーカーとして多くのワームの種類を掲げるサーティフォーさんのワームを紹介させていただきましたが、一大ジャンルとして成熟しつつあるアジング。他社にも、様々な機能が隠され、特徴を持ったワームがひしめいてます。そういったワームの特徴を解きほぐし、ぜひ釣りに役立ててください。

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