「ばか」 患者家族の言動で精神的苦痛と提訴 長崎地裁に病院運営法人

 長崎県内の病院に入院している患者の家族からハラスメント行為をされ、精神的苦痛を受けた看護師らが退職したとして、病院を運営する医療法人が患者の家族に対し、約3400万円の損害賠償と病院への立ち入り禁止を求める訴訟を長崎地裁に起こした。第1回口頭弁論が15日、同地裁(堀田秀一裁判官)であった。
 訴状によると、2017年12月ごろから、家族が患者を見舞うために病院を訪れた際、看護師に対して「ばか」とののしるなどの高圧的な言動を繰り返したという。
 患者の療養に当たっていた看護師3人が強い心理的負担を感じ、19年3~5月に相次いで退職。病院は病床数を維持するために必要な看護師を確保できず、約5カ月間にわたり6病床を閉鎖せざるを得なかったとしている。
 患者の家族側は請求棄却を求め争う姿勢を示している。


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