フィリーズがリアルミュートに5年1億ドル超をオファーか

フィリーズがJ・T・リアルミュートとの再契約に向けて動き始めたようだ。「ジ・アスレチック」が報じたところによると、フィリーズは「総額がわずかに1億ドルを上回る規模の5年契約」をオファーしたという。昨春のスプリング・トレーニングの時点でリアルミュートは総額2億ドル規模の契約を望んでいることを明らかにしていたが、フィリーズのオファーはこれを大幅に下回っている。しかし、何も動きがなかった状態から一歩前進したとも言えそうだ。

リアルミュートと代理人のジェフ・ベリーは「捕手は過小評価されている」というスタンスを貫いており、捕手の給与相場を上昇させるために「捕手の史上最高年俸」を求めているとみられる。捕手の最高年俸(年平均)はジョー・マウアーの2300万ドル(8年1億8400万ドル)だが、これを上回るためには5年1億1500万ドルを超える契約が必要だ。現時点でフィリーズのオファーはこの水準に達していない可能性が高い。

とはいえ、新型コロナウイルスの影響もあり、リアルミュートが希望通りの契約を得られる可能性は極めて低い。日本時間1月16日にはリアルミュートと同じくフリーエージェント市場の目玉の1人だったDJ・レメイヒューがヤンキースと6年9000万ドル(年平均1500万ドル)で合意間近となっていることが報じられており、これを踏まえてリアルミュートは軌道修正を強いられるだろう。

フィリーズ以外に獲得に乗り出しているチームが見当たらないこともリアルミュートにとって逆風だ。メッツはジェームス・マッキャンを獲得して捕手補強を終えており、エンゼルスもカート・スズキと契約合意。レメイヒューとの再契約が確実となったヤンキースには補強資金が残っておらず、ブルージェイズはリアルミュートよりもジョージ・スプリンガー獲得を優先している。

ヤンキースとレメイヒューがそうであったように、最終的にはフィリーズとリアルミュートの双方が歩み寄る形で再契約が成立するのではないだろうか。

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