【車いすテニス】4月のジャパンオープンがコロナ禍で中止に 貴重な実戦機会失う

国枝慎吾

影響が出なければいいが…。日本車いすテニス協会は16日までにジャパンオープン(4月20~25日、福岡・飯塚市)を中止にすると発表した。

前田恵理大会会長、鐘ヶ江淳一トーナメントディレクターは、連名で「コロナ感染拡大対策のあらゆる手段を検討し、開催のために準備を進めて参りました」とコメントした上で「ご承知の通り、ここ2カ月で感染者が激増。変異種も確認され、福岡も再び緊急事態宣言下におかれております。この感染拡大が続いている中、国内外からの100名以上の選手と延べ2000名を超えるボランティアとスタッフを抱えるこの大会において危機管理体制を整えるのは大変困難で、安全を守れない以上、中止せざるを得ないとの判断に至りました」と苦しい胸中を明かした。

同大会は、4大大会に次ぐ、世界で6大会しかないスーパーシリーズの一つとして知られており、東京パラリンピックを前に世界基準のプレーを体感できる貴重な場だった。

近年、日本の車いすテニス界のレベルは急上昇中。昨年9月の全米オープンでは、男子シングルスで国枝慎吾(36=ユニクロ)が5年ぶり7度目の優勝。昨年10月の全仏オープンの女子シングルスでは、上地結衣(26=三井住友銀行)が優勝。大谷桃子(25=かんぽ生命)も準優勝に輝いていた。

東京パラリンピックでは、メダルラッシュが期待される車いすテニス界だが、貴重な実戦機会が一つ失われてしまった。

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