給食の卵すべて地元産に 神奈川・愛川町教委「町内の養鶏理解を」

愛川町内の全小中学校給食用に卵を提供する神奈川中央養鶏農協の安藤正昭次長と同農協の卵

 新鮮な卵を子どもたちに-。愛川町が19日から、町立小中学校全9校の給食で使う卵全てを原則として町内産に切り替える。供給を請け負う同町三増の「神奈川中央養鶏農業協同組合」は県内最大の卵の生産拠点で、町教育委員会の担当者は「食育を通じて、子どもたちに町内の養鶏場の重要性を理解してもらえれば」と期待している。

 同農協は1957年に座間市内で設立され、70年に愛川町に移転した。現在は14の養鶏場が計63万羽のニワトリを飼育し、1日約50万個の卵を生産している。

 これまでは距離が近かった町立高峰小学校(同町三増)のみで使っていた同農協の卵を、ほかの町立小5校、町立中3校に広げる。

 町立中学校では昨年夏まで、民間施設で調理した給食を弁当箱で学校に届ける「デリバリー方式」を採用して希望者のみが利用していたが、同9月からは小学校の給食室で調理した温かい給食を届ける「親子方式」に変更。合わせて食材の卵を町内産に切り替える方針だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で遅れていたといい、今月、町教委が定める「食育の日」(毎月19日)に合わせて切り替えることになった。

 全校導入がスタートする19日の給食には、同農協が卵3千個を無償で提供。ゆで卵にして子どもたちに食べてもらう予定で、同農協の安藤正昭次長は「愛川の恵まれた良い水を使って、愛情を持ってニワトリを育てている。町内にたくさんのニワトリがいて卵を生産していることを、子どもたちにも知ってもらいたい」と話している。

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