社説(1/17):阪神大震災26年/揺れへの備え 再確認しよう

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 阪神大震災の発生から17日で26年となった。犠牲者を追悼し、備えの教訓を確認する日にしたい。
 兵庫県淡路島北部を震源に発生した直下型地震で、神戸市などで震度7を観測。死者は6000人を超え、住宅10万4000棟が全壊した。
 直下型地震と聞くと、繰り返し地震を引き起こす活断層が思い浮かぶが、阪神大震災はそうではない断層で発生した。住居や学校、職場の近くに活断層がある場合はもちろん、活断層が無くても揺れへの備えは必要だ。
 死因の8割が、自宅で倒壊家屋や家具の下敷きになったことによる圧死や窒息だった。再発防止策として、建物の耐震性の向上や家具の固定が全国的に浸透した。
 住宅や塀が壊れる影響は、周囲にも及びかねない。道路をふさいだ場合、避難や救助に支障が生じる。補強工事の普及は住民負担がネックになるため、多くの自治体が耐震診断と改修、塀の除去費用の助成制度を設けている。
 ひとたび揺れ始めたら、机の下に隠れたり、頭を保護したりするなど、できることは限られる。緊急地震速報も震源が近いと間に合わない。とっさに安全を確保する行動が取れない場合もある。
 だからこそリスクを減らすため、耐震改修、家具のない空間の確保、家具の転倒やガラスの飛散防止措置など、事前にできることは事前にしておくことが重要になる。
 阪神大震災は午前5時46分に発生した。まだ暗く、多くの人が寝ている時間だった。停電対策として部屋ごとに懐中電灯の用意を。寝室には背の高い家具を置かず、寝具もより安全な配置を工夫してほしい。移動の際、足をけがしないように、枕元にスリッパや内履きがあると安心だ。
 この時期は、各家庭で暖房を使う。阪神では発生直後の大規模な火災とは別に、地震から数日後に新たな火災が相次いだ。電気が復旧した後、電気ストーブなどが過熱し、火事の原因になった。このような通電火災は、家を離れる時にブレーカーを落とすことで予防できる。
 阪神では、倒壊家屋などの下敷きになった人の約8割を家族や隣人が救出した。この教訓を契機に、共助の重要性が社会に知れ渡った。
 象徴的なのが兵庫県北淡町(現淡路市)富島地区。750世帯の9割が全半壊したが、住民総出で捜索し、当日の昼すぎには約300人を救出した。古い漁師町で近所付き合いが盛んな土地柄。互いに家族構成や生活習慣を知っていたことが捜索に役立った。
 大災害の発生直後、行政の対応には限界があると、東日本大震災を経験した私たちはよく知っている。自らの身を守り、さらには家族、隣人を助ける。阪神大震災の被災地、被災者に思いを巡らせ、自分たちの地域の安全、安心につなげたい。