1984年1月23日 ホーガンが初王座獲得 WWFに新時代が到来

ホーガン(上)のニードロップがシークに炸裂した

【プロレスPLAY BACK(107)】世界最大のプロレス団体、米「WWE」2021年最初のビッグマッチとなるPPV大会「ロイヤルランブル」が31日(日本時間2月1日)に行われる。先日のスマックダウン大会では、ユニバーサル王座挑戦権をかけたガントレットマッチに“黒いロックスター”中邑真輔が出陣。ダニエル・ブライアンを撃破する快挙を果たすも、王者ローマン・レインズと、いとこのジェイ・ウーソの襲撃を受けて敗北した。現時点ではプロデューサーであるアダム・ピアースがPPV大会の挑戦者となっている。ただプロデューサーが挑戦することなどあり得ず、今後中邑が反撃に出れば、状況が変わる可能性もある。

当時のWWFは新時代を迎えた。“超人”ことハルク・ホーガンが初めてWWF王座を獲得したのだ。

「今年初のマジソンスクエア・ガーデン定期戦は23日、大観衆2万2000人を集めて行われ、注目のWWF選手権はボブ・バックランドが挑戦を辞退して急きょハルク・ホーガンが王者アイアン・シークにアタックした。シークはターバンを振りかざして首絞めに出るが、逆に奪い取り、グイグイ絞め上げるホーガン。場内は興奮のるつぼと化した。

バックランドの代役という思わぬチャンスを手にしたホーガンは斧爆弾アックスボンバー、パイルドライバーで猛攻。一方的に試合を進めた。それでもシークも意地を見せる。エビ固め、ラクダ固めで反撃したが、ホーガンは余裕十分。2度目のアックスボンバーが火を噴く。『ガツン!』。大きく吹き飛んだシークに、トドメはギロチンドロップ2発だ。ホーガンはシークを押さえ込み、王座奪取に成功した。

第12代WWF新王者誕生――IWGPでアントニオ猪木を破り、底知れぬ力を見せつけたホーガンが、ついにWWFの頂点を極めた。新時代到来を告げるにふさわしい王座交代劇。ホーガンという強力な武器を得たWWFを中心に全米のレスリングウォーはますますエスカレートすることになる」 (抜粋)

WWFは翌85年から祭典「レッスルマニア」を開催。まさにホーガンのために誕生した大会で「ハルカマニア」(ホーガンファン)という言葉が全米を席巻した。ホーガンは88年2月にアンドレ・ザ・ジャイアントに敗れるまで、実に4年間も王座を守った。やがて団体名はWWEとなり、米国で唯一無二の存在になっていく。今年の「ロイヤルランブル」も時代の変革を告げるドラマに期待したい。

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