プロ8年目の広島・大瀬良「けがせず1年間戦い抜く」 投手陣の主将に

2019年オープン戦、先発の大瀬良=県営ビッグNスタジアム

 プロ野球広島のエース大瀬良大地(桜が原中-長崎日大高-九共大)が、長崎新聞社の取材に音声データで応え、途中で故障離脱した昨季の胸中や今後の意気込みなどを語った。今季は投手陣の主将を任され、6月に30歳になる右腕は「しっかりとみんなで力を合わせて優勝できるよう頑張る。長崎に少しでも多くいいニュースを届けたい」と燃えている。
 2014年のルーキーイヤーから10勝をマークして新人王となり、18年は最多勝と最高勝率の2冠を獲得。ここまでプロ7年間で57勝を積み上げてきた。4年連続2桁勝利を目指した昨季も2試合連続完投勝利でスタート。開幕戦はプロ初本塁打も放ち、投打で存在感を示した。
 だが、7月24日のDeNA戦を2回で降板すると、コンディション不良で戦列を離れた。一度は復帰して2勝を加えたが、連敗を経て9月6日に出場選手登録を抹消。右肘関節鏡視下遊離体摘出・骨棘(こっきょく)切除・滑膜切除の手術を受けた。結果、5勝4敗に終わり、登板11試合、防御率4.41はともに自己ワースト。チームも2年連続Bクラスに沈み「非常に悔しいシーズンだった」と振り返った。
 一方、離脱中は「自分の体としっかり向き合い、考えるいい時間と捉えてやった。知識も増えた」と強調。今季は「けがせず1年間戦い抜くことが、まずは一番の目標」と力を込める。その上で自身3年連続を狙う開幕投手や、チーム3年ぶりのセ・リーグ制覇、そして、1984年を最後に遠ざかる日本一を見据える。
 コロナ禍で甲子園が中止された昨夏は、母校の長崎日大高の選手たちに「反骨精神」と記したTシャツやボールを贈るなど、地元や後輩たちに変わらぬ優しさを見せる背番号「14」。長崎に対する思いを聞くと「いつも温かい応援をありがとうございます」とまず感謝を口にする。
 「非常に難しい世の中になっているけど、プロ野球選手の僕たちも同じような思いをして毎日を過ごしている」として、最後に「力を合わせて、コロナに負けないように頑張っていきましょう」と呼び掛けた。

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