森薗政崇「脇目も振らず振り返らず、ずっと歩いてきた結果」自己最高の全日本2位

<2021年全日本卓球選手権大会(一般・ジュニアの部)、2021年1月11日~17日>

全日本卓球選手権は大会最終日、男子シングルス決勝で森薗政崇(BOBSON)が及川瑞基(木下グループ)にゲームカウント3-4で敗れた。ゲームカウント3-1とリードし、先にマッチポイントを握った森薗だったが、及川の驚異の粘りに追い上げられ、悲願のシングルス初優勝はならなかった。

試合後、自己最高の全日本シングルス準優勝に輝いた森薗がオンライン会見で報道陣の質問に答えた。

森薗政崇、vs及川瑞基戦を振り返って

写真:森薗政崇(BOBSON)/撮影:ラリーズ編集部

決勝戦を振り返って

個人的な目標はベスト4に入って、2月末からのカタールオープン(WTT)の出場権を獲得することだったが、勝ち進むと欲も出てきた。リードして、マッチポイントも握って、やっぱり素直に悔しいです。

写真:及川瑞基からマッチポイントを奪うも逆転負けを喫した森薗政崇(BOBSON)/撮影:ラリーズ編集部

ゲームカウント2-0の4-1でリードしている場面で相手ベンチの邱建新氏がタイムアウト

(僕も)邱さんには10年間お世話になっていて、策略家。すぐに(戦術を)変えてきた。フォアサイドへのサーブに対してフリックやストップでなく、ツッツキをして僕が持ち上げたのをブロックしてきた。

写真:及川のベンチでは木下グループ総監督の邱建新氏がアドバイスを送った/撮影:ラリーズ編集部

点数を取れる手段を減らされ、焦ってきて、僕にも凡ミスが出てきた。あのタイムアウトは素晴らしかったと思います。

シングルス決勝の舞台について

特に普段と変わらないなというのが第1印象。初戦の方が緊張しましたし、自分のプレーができなかった。ただ、マッチポイントを握った段階で勝ちを意識して、なんであれをやっちゃったんだろうというのがいくつかあって、それは全日本の決勝の雰囲気だなと。

写真:森薗政崇(BOBSON)/撮影:ラリーズ編集部

昨日語っていた肘の状態について

MRIの結果、何も問題なくて、それだけでも安心してコートに入れた。接戦で及川選手に負けたのは、及川選手が僕より少し強かっただけ。

自らの卓球や今後

写真:森薗政崇(BOBSON)/撮影:ラリーズ編集部

ダブルスの名手がシングルスでも決勝まで勝ち上がった

毎回毎回シングルスで結果が出ないときに、いろんな方から“ダブルスだけ”という厳しい言葉を頂いていて、今回優勝して見返したかった。でも、日本一を獲れなかったので、一歩一歩またそういう人を見返せるように頑張っていきたい。

写真:森薗政崇(BOBSON)/撮影:ラリーズ編集部

現在の手応え

自粛期間に入ってから、卓球界ではダブルスが禁止されていて、去年の4月くらいからダブルスを全くやらず、シングルスの練習をしていた。今は、動き、待ち方、サーブなどがシングルス用になっている。

(自分は)ダブルスで勝ち上がって、シングルスがダメというのが多いが、僕は左利きで、ダブルスとシングルスでは待ち方が違う。今回はすごい良い準備ができたので、シングルスが良かった。

シングルスかダブルスかだとどちらを選ぶのか

僕的にはシングルスよりダブルスが合っている。ダブルスの方が好きだし、ダブルスの方が負けたとき悔しい。どちらかを選べと言われればダブルスを選びます。

自分の卓球について

結果的には決勝で負けはしたが、自分の卓球は良い方向に向かっている。サーブのモーションや切り方を大会2週間前に変えた。今、常にベンチコーチを入れずにやっているが、プライベートコーチがいて、その人に習ったことで良いサーブが出せたんじゃないかと思う。

写真:伊藤美誠を彷彿させる構えからサーブを繰り出した森薗政崇(BOBSON)/撮影:ラリーズ編集部

劇的な負け方をして、気持ちが落ちてるんじゃないかと言われるが、卓球長くやっていればいろんなことがあるよねと自分の中で割り切れている。

僕はボールタッチがすごく良いわけでもなく、才能があるわけでもなく、それでも脇目も振らず振り返らず、ずっと歩いてきた結果だと思うので、次のTリーグ、カタールオープン(WTT)に向けて前に進んでいければ。

写真:森薗政崇は今後に向けてすでに歩み始めている/撮影:ラリーズ編集部

文:ラリーズ編集部

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