全国高校選抜剣道県予選 島原 3年連続 男女V 女子2位 西陵も出場権獲得

【女子決勝リーグ、島原―西陵】島原の大将生出が突きを狙う=佐世保市東部スポーツ広場体育館

 剣道の全国高校選抜大会県予選は17日、長崎県佐世保市東部スポーツ広場体育館で行われ、島原が3年連続で男女優勝を飾った。男子は3年連続16度目、女子は4年連続13度目。島原男女と女子2位の西陵は全国大会(3月26~28日・愛知)の出場権を獲得した。
 男子決勝の島原-長崎南山は、長崎南山の次鋒仁位、島原の副将安田がそれぞれ白星を挙げて、1-1で代表戦へ突入。最後は島原の安田が小手を決めて競り勝った。
 女子は4強による決勝リーグを実施。島原が3戦全勝で頂点に立った。2位西陵は西海学園と1勝1分け1敗で並んだが、3試合の合計勝者数で上回り、5年ぶり8度目となる春の代表権を手にした。
 全国切符を懸けた剣道の県大会は、昨年のこの大会以来、約1年ぶりの開催。コロナ禍が続く中、選手たちはマスクのほか“面シールド”を付けて二重に飛沫(ひまつ)を防止するなど、感染症対策をしながら練習に励み、この日に臨んだ。
 松尾好郎・県高体連剣道専門委員長は「少しずつ少しずつ、みんなで大会ができるように持ってきた。心配は続くが、頑張ってきたことを上位大会で出してほしい」と期待を込めていた。

◆3年生の分まで日本一に

 3年連続で全国選抜大会男女出場を決めた島原。女子は決勝リーグ3戦全勝、男子はライバル長崎南山との決勝を代表戦の末に制した。福田監督は「内容はまだまだだが、そろって出場権が取れたことが一番」と胸をなで下ろした。
 女子は決勝リーグの前半、慎重になりすぎて苦戦を強いられた。その反省も踏まえて、西陵との最終戦は「守る必要はない。相手を圧倒する気迫を出してチームで勝とう」と全員が意思統一。先鋒永井、次鋒福園が連勝して流れをつくり、最後は3-1で勝ち切った。主将の生出は「1本の大切さを再確認した」とあらためて試合の厳しさを学んだ様子だった。
 男子の決勝は大接戦となり、今回も代表戦までもつれた。ここで勝負を託された副将安田が「一つのチャンスを絶対に逃さない」と延長戦に入っても集中力を持続。相手が引き面を放った後のわずかな隙を狙って小手を決めた。主将の下田は「練習で積み重ねてきた成果がみんなで出せた」と胸を張った。
 昨季はコロナ禍のため、各種全国大会が中止になった。その代替大会が年末に沖縄で開かれたが、県の方針を受けて出場を自粛。全国トップレベルだった3年生は、一度もその舞台に立てないまま高校剣道を終えた。
 そんな悔しさを味わった先輩たちが、今も練習に参加して稽古をつけてくれている。男女の主将の下田と生出が同じ言葉を口にした。「3年生の分まで自分たちが全国制覇を果たす」。その思いはきっと、大舞台で大切な1本やワンチャンスを逃さない力になるだろう。


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