【プロレス大賞表彰】2冠の内藤「東京ドームのメインイベントにまた必ず帰ってくる」発言の意味

内藤はMVPとべストバウトのトロフィーを前に得意のポーズを決めた

【東京スポーツ新聞社制定2020年度プロレス大賞表彰】47回目を迎えた東京スポーツ新聞社制定「2020年度プロレス大賞」の表彰がスタート! 今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため授賞式開催を見送ったが、各受賞者には個別にトロフィーと表彰状が授与される。併せて受賞者のインタビュー連載を開始。第1回は最優秀選手賞(MVP)と年間最高試合賞(ベストバウト)に輝いた新日本プロレスの内藤哲也(38)が登場だ。4日の東京ドーム大会で飯伏幸太(38)に敗れ、IWGPヘビー級&インターコンチネンタル2冠王座を失ったMVP男が

再起への思いを明かした。

――昨年を振り返って

内藤 今までのキャリアで一番いいスタートを切れて、これは一番印象に残る年になるんじゃないかな…と思ってました。確かにその通りでしたけどね、(コロナ禍という)悪い意味で。でも、今まで考えないようなことを考えたり、成長できた1年だったのかな。

――2021年は初戦で2冠王座から転落と対照的なスタート

内藤 悔しさはもちろんありますよ。ただ言い訳はしないし、俺の中で進む道はここかなっていうのはあるので、自分のペースで進めていきたい。確かに今はノーテーマですけど、こんな状況の内藤ってなかなかないですからね。それこそ他の選手にとっては、MVPと絡むチャンスですよと言いたいですね。

――2冠王座に関して

内藤 飯伏が何を見せていくのかはすごく楽しみではありますよ。ただ今のところのコメントを見た感じは…。

――2冠のベルト統一案が出ている

内藤 人それぞれのやり方があるので否定はしませんけど、俺は統一したかったわけではないので、俺が思い描いていたものとは違うかなと。メリットもよく分からないし、説明が抽象的すぎてよく分からない。「みんなわかってないと思うんですけど絶対に面白いことになる」とか。自分だけがいいと思っていたら彼の言う「プロレスを広める」ことにつながらないでしょう。たかが会見、たかが言葉だけですけどその辺も大事にしないと難しいと思いますよ。

――21年の抱負は

内藤 1・4で「東京ドームのメインイベントにまた必ず帰ってくる」と言いました。俺は「必ず」って言葉は今は使わないようにしているんですけど、あの場ではあえて使いました。それが一つのテーマですね。

――18年ドームのメインでオカダ・カズチカに敗れた時に「また必ずこの舞台に戻ってくる」と誓って以来の「必ず」だ

内藤 あの時と少し違うのは、俺は今のレスラーとしての状況がずっと続くとは思ってないんですよ。年齢的に体力も衰えてしまうし、いつまでもトップ戦線にいれる保証はない。自分にハッパをかける意味で使ったので「あと5年以内で」くらいの軽い気持ちではない。あれは要するに「22年のドームのメインイべント」の意味で使ってます。

――他の目標は

内藤 マツダスタジアムで試合がしたい、今までしたことがないところで試合がしたい、くらいですかね。あとはファミレス緊急招集もそろそろ応じてもらわないと。あれを一番望んでるのは、あなたなんじゃないですか?

――確かに多少は恋しくなってきたが…こればかりは社会情勢次第

内藤 プロレス界だけでなくファミレスも大変みたいですからね。(ファミレス大手)サイゼリヤの社長(堀埜一成氏)の(13日の決算)会見には刺激を受けましたよ。ロス・インゴベルナブレス(デ・ハポン=LIJ)の原点を感じました。

――政府のランチ自粛要請に対する「ふざけんなよ」という発言が話題になった

内藤 俺にはその言葉の後に「カブロン!(バカ野郎!)」って心の声が聞こえましたね。世間体を考えたら思ってても我慢しちゃいそうじゃないですか。周りの声を気にせず今思っていることをぶつけたわけですよね? 俺はLIJになってお客様の顔を見ながらプロレスするのをやめたんです。まさにその時の自分を見ているようでしたよ。

――見事なまでに一方的なシンパシーだ

内藤 最もお世話になってるお店の一つですし、時が来たらぜひLIJ5人全員でサイゼリヤを訪れたい。その時にはもちろんご招待しますよ。その日が来るまで、そして俺が再び東京ドームのメインイベントに立つ時まで…トランキーロ、焦らずにお待ちください。

☆ないとう・てつや 1982年6月22日生まれ。東京・足立区出身。2005年に新日本プロレスに入門し06年5月にデビュー。ユニット「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」を率いて大ブレークし、16年4月にIWGPヘビー級王座を初戴冠。制御不能な言動でカリスマ的人気を博すと、20年は1月5日東京ドーム大会でオカダ・カズチカを破り史上初のIWGPヘビー級&インターコンチネンタル2冠王者に。この試合はプロレス大賞ベストバウトに選ばれた。7月にEVILに両王座を奪われたが、8月の神宮球場大会で奪回し、年間を通じプロレス界の中心で活躍。16、17年に続く3度目のプロレス大賞MVPに輝いた。必殺技はデスティーノ。180センチ、102キロ。

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